OECD Economic Outlook による経済見通しやいかに?
日本時間の昨夜、経済協力開発機構(OECD)から「経済見通し」OECD Economic Outlook が公表されています。副題は Resilience in uncertain times となっています。もちろん、pdfの全文リポートもアップロードされています。世界経済の成長率見通しは、今年2024年+3.2%、来年2025年+3.3%、さ来年2026年も+3.3%と順調な景気拡大が継続すると見込まれています。ただし、我が日本は2024年▲0.3%、2025年+1.5%、2026年+0.6%と低い成長率が予想されています。低い成長率とはいっても、先進国から構成されるOECD平均の成長率が、2024年+1.7%、2025年+1.9%、2026年+1.9%ですから、こんなもん、という気もします。まず、プレスリリースのプレゼン資料からG20各国の成長率見通しの総括表 GDP growth projections を引用すると以下の通りです。
ここ数年で大きく上昇した物価についても、サービスの上昇率はまだ依然として高いものの、G20各国で多くの中央銀行が物価目標としている+2%近傍におおむねアンカーされるようになりつつあります。プレスリリースのプレゼン資料からG20各国の物価上昇率のグラフ Inflation is projected to continue to come down を引用すると以下の通りです。
そして、先行きリスクとしては、エネルギー価格、貿易摩擦、公的債務、資産価格の高騰の4点をあげています。プレスリリースのプレゼン資料から、それぞれのリスクに対応するスライド4枚を引用すると以下の通りです。
政策対応としては、いつも通りの金融政策と財政政策、すなわち、金融政策については緩和を、財政政策については財政再建を、それぞれ強調しつつ、これらに加えて、今回の「経済見通し」では特に労働力不足に焦点を当てています。プレスリリースのプレゼン資料から、労働力不足を示すスライド Labour shortages are high を引用すると以下の通りです。
そして、プレスリリースのプレゼン資料から、今回の見通しの要点4項目を引用すると以下の通りです。
Summing up
- Growth is projected to remain stable amid high geopolitical risks and uncertainties
- Monetary policy should continue to ease, but needs to remain prudent and data dependent
- Governments need to step up consolidation efforts to ensure public finance sustainability
- Addressing labour shortages is necessary to unleash future growth potential
最後の最後に、私の感想ですが、こういった国際機関のリポートでは強く指摘しにくいことであろうと想像するものの、やっぱり、世界経済の先行き最大のリスクのひとつはトランプ大統領の就任による米国経済と世界経済の撹乱ではないか、という気がします。特に後者の通商摩擦が私は気がかりです。
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