リクルートによる昨年2024年12月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?
明日1月31日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートによる3月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。参照しているリポートは以下の通りです。計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、以下の出典に直接当たって引用するようお願いします。

いつものグラフは上の通りです。アルバイト・パートの募集時平均時給の方は、前年同月比で見て、11月の+3.7%増の後、直近で利用可能な12月には+3.7%増となりました。先週1月24日に総務省統計局から公表された消費者物価指数(CPI)上昇率が12月統計でヘッドライン+3.7%、生鮮食品を除くコア+3.0%でしたから、アルバイト・パートの賃金上昇は物価上昇をやや下回って、実質賃金がマイナスとなった可能性が高い、と考えています。募集時平均時給の水準そのものは、2021年年央からコンスタントに1,100円を上回る水準が続いており、今年2024年10-12月で1,200円に達しています。ですので、現在、報じられている最低賃金と比較しても、かなり堅調な動きと私は受け止めています。他方、派遣スタッフ募集時平均時給の方は、11月▲1.6%減に続いて、12月+0.8%ですから、前年同月比上昇率で見て低空飛行を続けています。もちろん、CPI上昇率には追いついていません。
三大都市圏全体のアルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は、繰り返しになりますが、12月には前年同月より+2.9%、前年同月よりも+34円増加の1,219円を記録しています。職種別では前年同月と比べて伸びの大きい順に、「事務系」(+60円、+4.8%)、「専門職系」(+53円、+3.9%)と「営業系」(+47円、+3.9%)、「販売・サービス系」(+44円、+3.8%)、「フード系」(+40円、+3.5%)、「製造・物流・清掃系」(+36円、+3.0%)と、すべての職種で前年同月比プラスとなっています。すべての職種で+3%以上の伸びを示しているにもかかわらず、全体の伸びが+2.9%にとどまっているのは、いわゆるシンプソン効果で時給の低い職種である「フード系」、「販売・サービス系」、「製造・物流・清掃系」といったところが増加しているのだろうと想像しています。また、地域別でも関東・東海・関西のすべての三大都市圏で前年同月比プラスとなっています。
続いて、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、12月には前年同月より+0.8%、+13円増加の1,630円となりました。職種別では、「オフィスワーク系」(+52円、+3.2%)、「医療介護・教育系」(+26円、+1.8%)と「製造・物流・清掃系」(+25円、+1.8%)、「営業・販売・サービス系」+2円、+0.1%)と「クリエイティブ系」(+1円、+0.1%)、の5業種は何とかかろうじて前年比でプラスの伸びを示しましたが、「IT・技術系」(▲79円、▲3.5%)、は前月に続いて大きな減少を示しています。なお、地域別でも関東・東海・関西のすべての三大都市圏で前年同月比プラスとなっています。
アルバイト・パートや派遣スタッフなどの非正規雇用について12月の調査結果を見る限り、アルバイト・パート、派遣社員とも消費者物価(CPI)上昇率を下回る時給の上昇にとどまり、実質賃金上昇率率はマイナス、という結果です。
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