インテージによる「バレンタインに関する調査結果」やいかに?
先週2月7日に総務省統計局から昨年2024年家計調査の集計結果が公表され、都道府県庁所在市+政令市の間で餃子やラーメン屋といった消費支出のランキングがアチコチの報道で取り上げられています。私は総務省統計局に出向して、2年半余りの間この家計調査の担当課長を務めていましたので、それなりに懐かしく拝見していました。
その消費動向のひとつとして、この季節の話題としてインテージから「バレンタインに関する調査結果」が先週2月8日に明らかにされています。カカオショックともいわれている値上がり圧力が生じており、今年のチョコレート事情を知りたいところです。まず、インテージのサイトから調査結果の[ポイント]を5点引用すると以下の通りです。
[ポイント]
- バレンタインの予算(女性)は平均4,574円。前年比91.0%
- 予算が減る理由、増える理由いずれも1位、2位は「チョコの値上がり」「物価高・円安」
- 値上げは用意する女性67.3%の行動に影響。「価格帯が低いチョコ」「個数を減らす」「安く買える購入先」で対応
- 「義理チョコ」は個人で用意するチョコ(前年比78.6%)、複数で用意するチョコ(前年比79.4%)いずれにおいても減少
- 有職女性で職場の義理チョコに「参加したくない方だ」は84.2%。4年連続高水準で今年は調査開始以来最高
まず、会社などで何人かのグループではなく個人で用意する予算は、一昨年2023年3,750円から昨年2024年は5,024円と+34%増の大幅アップの後、今年2025年は4,574円と▲9%減と見込まれています。予算が増える理由/減る理由、いずれもトップと2番目は「チョコが値上がりしているから」と「物価高・円安だから」でした。カカオショックやコーヒーショックといった国際市場における商品価格の高騰に加え、昨秋あたりからコメ価格も上昇し、バレンタイン向けのチョコの価格弾力性の低い人はご予算アップ、価格弾力性の低い人は予算圧縮、ということなのだろうと思います。
上のグラフは、インテージのサイトから、全国小売店パネル調査である小売店販売データSRIに基づいて、板チョコレートの平均個数単価推移 をプロットしています。2年ほど前の2023年2月ころまで100円程度であった単価が、昨年2024年暮れには150円近くに達するほろ、チョコレートが大きく値上がりしているのが見て取れます。
上のグラフは、インテージのサイトから チョコレートが値上がりしていた場合の影響 を引用しています。チョコレート値上がりの影響があると回答したのは67.3%、すなわち、2/3に上っています。対応策としては、「価格帯が低いチョコを買う」が32.9%、「個数を減らす」が22.3%、「安く買える購入先で買う」が21.5%とトップスリーを占め、続いて、「自分チョコを減らす/やめる」が9.5%、「義理チョコを減らす/やめる」と「他のお菓子・スイーツを買う」がともに7.7%となっています。そして、義理チョコについては、「参加したくない方だ」が84.2%に上り、昨年2024年の82.2%から+2%ポイント増加しています。
私が役所を定年退職した際の研究所という職場は義理チョコなんてものを想像もできない質実剛健(?)な職場でしたし、現在の大学勤務もまったくご同様です。したがって、私は世のバレンタイ事情には疎いかもしれません。
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コメント
リタイアすると、全くこの手の話に疎くなります。ありがたいことに家人だけは律儀にチョコをくれます。
投稿: kincyan | 2025年2月17日 (月) 07時46分