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2025年5月 5日 (月)

経済産業省の若手新政策プロジェクト(PIVOT)による「デジタル経済レポート」を読む

先週水曜日の4月30日、経済産業省から若手新政策プロジェクト(PIVOT)による「デジタル経済レポート: データに飲み込まれる世界、聖域なきデジタル市場の生存戦略」が明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもアップロードされています。
デジタル経済については経常収支のデジタル赤字に注目が集まっており、例えば、2023年8月10日、日銀レビュー「国際収支統計からみたサービス取引のグローバル化」とか、2024年7月2日、財務省から財務省「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋」懇談会の報告書などが出ています。この経済産業省のリポートでも、冒頭でIMD World Competitiveness Ranking 2024 を引いて、ロボティクスや通信環境インフラなどはデジタル競争力ランキングが高い一方で、デジタル・技術スキルやビッグデータ活用などの競争力が低いと指摘しています。
私は国際収支におけるデジタル赤字はそれど気になりません。古典派経済学的なリカードによる比較優位はどこの国にも何かの産業に優位があることを示しています。もちろん、デジタル産業の競争力を高めたいというのは政府や中央銀行ならば、どの国でも期待するのかもしれません。ただ、そのあたりの競争力向上の誤解については、本リポートでも十分認識しているようで、第5章 戦略実行において日本企業、投資家、政府が抱えるギャップ において指摘しています。例えば論点2では、アプリケーション事業者は「デジタル小作人」ではないか、といった議論を展開しています。プラットフォーム企業に取り込まれてしまうという懸念です。いろいろと、私のようなデジタル経済のシロートには参考になりそうです。

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上のテーブルは、リポート p.48 から 表9 プラットフォームビジネスのグローバル市場における事例 を引用しています。デジタル経済でもっとも重要な役割を果たすプラットフォームビジネスです。まあ、私はこのあたりから勉強を始めようと思います。

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