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2025年6月30日 (月)

市場の事前コンセンサスを大きく下回った5月の鉱工業生産指数(IIP)

本日は月末ということで、経済産業省から5月の鉱工業生産指数(IIP)がそれぞれ公表されています。統計のヘッドラインとなるIIP生産指数は季節調整済みの系列で前月から▲0.9%の減産でした。3か月ぶりの減産となります。まず、日経新聞のサイトから各統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

鉱工業生産指数、5月0.5%上昇 生産用機械や自動車けん引
経済産業省が30日発表した5月の鉱工業生産指数(2020年=100、季節調整済み)速報値は101.8となり、前月から0.5%上がった。生産用機械工業や自動車工業がけん引し、2カ月ぶりに上昇した。
全15業種のうち9業種が上昇し、5業種が低下、1業種が横ばいだった。生産の基調判断は前月の「一進一退」を据え置いた。
生産用機械工業は5.6%上がった。自動車向けの金型の生産が増えたほか、ショベル系掘削機械が伸びた。汎用・業務用機械工業は4.5%の上昇となった。軸受けの受注が増加したほか、輸出向けの圧縮機などの生産が増えた。
自動車工業は2.5%上昇した。普通乗用車の好調車種の生産増加が寄与した。ステアリングなど駆動伝導・操縦装置部品は前月までの生産調整からの反動で増えた。
自動車工業を除く輸送機械工業は16.3%低下した。航空機向けのエンジン部品や機体部品で、例年に比べて受注が少なかった。無機・有機化学工業は5.1%下がった。生産拠点が定期修理に入った影響で、ポリエチレンなどの生産が減少した。電子部品・デバイス工業は3.0%低下した。
主要企業の生産計画から算出する生産予測指数は6月に前月比で0.3%の上昇を見込む。企業の予測値は上振れしやすく、これまでの傾向をふまえた経産省による補正値はマイナス1.9%となった。電子部品・デバイス工業や電気・情報通信機械工業が伸びる一方で、自動車工業を含む輸送機械工業などが下押し要因となる。
経産省の担当者はトランプ米政権による自動車などへの関税政策の影響を指摘した。「前月に比べて生産や出荷への影響として、関税をあげる事業者がやや増えている」と語った。

やや長くなりましたが、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、鉱工業生産と出荷のグラフは下の通りです。上のパネルは2020年=100となる鉱工業生産指数そのものであり、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷のそれぞれの指数です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

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まず、引用した記事にはありませんが、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、+3.5%の増産が予想されていましたので、実績である+0.5%増は市場予想から大きく下振れしました。レンジ下限が+0.5%でしたので、この下限と同水準となります。ただ、増産は増産ですし前月比プラスですので、統計作成官庁である経済産業省では生産の基調判断については、「一進一退」で据え置いています。昨年2024年7月から11か月連続で据え置かれています。先行きの生産については、製造工業生産予測指数を見ると、足下の6月は補正なしで+0.3%の増産、ただし、翌7月は▲0.7%の減産となっています。上方バイアスを除去した補正後では、6月の生産は▲3.4%の減産と試算されています。経済産業省の解説サイトによれば、5月統計における生産は、増産方向に寄与したのは、生産用機械工業が前月比+5.6%増で+0.47%の寄与度を示したほか、汎用・業務用機械工業が+4.5%増で+0.33%の寄与度、自動車工業が+2.5増の+0.32%の寄与度、などとなっており、他方、減産方向に寄与したのが、自動車を除く輸送機械工業が▲16.3%減で▲0.45%の寄与度、無機・有機化学工業が▲5.1%減で▲0.24%の寄与度、電子部品・デバイス工業が▲3.0%減で▲0.20%の寄与度、などとなっています。
広く報じられている通り、米国ではトランプ政権発足に伴って関税引上げを連発しています。日米交渉が進められているものの、とくに焦点となっている自動車工業をはじめとして輸出に依存する部分も決して無視できないことから、我が国の生産の先行きは極めて不透明となっています。日銀による再利上げとともに、トランプ関税がダウンサイドリスクを顕在化させかねない先行き懸念材料、もっとも大きな懸念材料のひとつといえます。リスクはダウンサイドに厚いと考えるべきです。

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