« 東洋経済オンライン「公務員への就職に強い大学」ランキング | トップページ | 2か月連続で改善した6月の景気ウォッチャーと過去最大の黒字となった5月の経常収支 »

2025年7月 7日 (月)

基調判断が「悪化」に引下げられた5月の景気動向指数

本日、内閣府から5月の景気動向指数が公表されています。統計のヘッドラインを見ると、CI先行指数は前月から+1.1ポイント上昇の105.3を示した一方で、CI一致指数は▲0.1ポイント下降の115.9を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから報道を引用すると以下の通りです。

景気一致指数、5月0.1ポイント低下 判断「悪化」に引き下げ
内閣府が7日公表した5月の景気動向指数(速報値、2020年=100)によると、足元の景気を示す一致指数は前月比0.1ポイント低下の115.9と、2カ月ぶりのマイナスとなった。
同指数から機械的に決める基調判断は「悪化を示している」とし、前月から下方修正した。
基調判断「悪化」との表現は2020年7月以来。3カ月連続で移動平均が前月比マイナスなど一定のルールに基づいて判断した。
一致指数を構成する指標のうち、投資財出荷指数などが改善する一方、有効求人倍率や鉱工業用生産財出荷指数の悪化が下押しした。
自動車やフラットパネル製造装置の出荷が伸びたものの、求職者数の伸び拡大やガソリン価格下落などが下押しした。
先行指数は前月比1.1ポイント上昇の105.3と4カ月ぶりに改善した。自動車や同部品の在庫減少や消費者態度指数、東証株価指数などが押し上げた。
米関税政策の影響について内閣府では「自動車は3月のバネ工場事故からの挽回生産もあり影響判断が難しい」としている。

いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

photo

5月統計のCI一致指数は2か月ぶりの悪化となりました。3か月後方移動平均も3か月連続の前月比マイナスを記録した一方で、7か月後方移動平均は前月から横ばいとなっています。統計作成官庁である内閣府では基調判断は、「悪化を示している」に下方修正しています。引用した記事にもある通り、「悪化」の基調判断は2020年7月以来であり、「『CIによる景気の基調判断』の基準」によれば、原則として3か月以上連続して、3か月後方移動平均が下降し、当月の前月差の符号がマイナスであることが基準となっていて、まさにズバリ「景気後退の可能性が高いことを示す。」と定義されています。私は従来から、米国経済がソフトランディングに成功するとすれば、そう簡単には日本経済が景気後退局面に入ることはないと考えていて、それはそれで正しいと今でも変わりありませんが、米国経済に関する前提が崩れつつある印象で、米国経済が年内にリセッションに入る可能性はかなり高まってきており、日本経済も前後して景気後退に陥る可能性が十分あると考えています。理由は、ほかのエコノミストとたぶん同じでトランプ政権が乱発している関税政策です。関税率引上げによって、米国経済においてインフレの加速と消費者心理の悪化の両面から消費を大きく押し下げる効果が強いと考えています。加えて、日本経済はすでに景気回復・拡大局面の後半に入っている点は忘れるべきではありませんし、多くのエコノミストが円高を展望して待ち望んでいる金融引締めの経済へ影響は明らかに景気下押しであり、引き続き、注視する必要があるのは当然です。
CI一致指数を構成する系列を前月差に対する寄与度に従って詳しく見ると、引用したロイターの記事にもあるように投資財出荷や輸出が下押ししており、投資財出荷指数(除輸送機械)が+0.40ポイント、耐久消費財出荷指数が+0.22ポイント、営業利益(全産業)が+0.19ポイント、それぞれ上昇した一方で、有効求人倍率が▲0.38ポイント、商業販売額(卸売業)(前年同月比)が▲0.22ポイント、同じく、商業販売額(小売業)(前年同月比)が▲0.17ポイントと、それぞれ下降の方向で寄与しています。ついでに、前月差+1.1ポイントと上昇したCI先行指数の上げ要因も数字を上げておくと、最終需要財在庫率指数が+0.85ポイント、消費者態度指数が+0.61ポイント、東証株価指数が+0.48ポイントなどとなっています。

|

« 東洋経済オンライン「公務員への就職に強い大学」ランキング | トップページ | 2か月連続で改善した6月の景気ウォッチャーと過去最大の黒字となった5月の経常収支 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 東洋経済オンライン「公務員への就職に強い大学」ランキング | トップページ | 2か月連続で改善した6月の景気ウォッチャーと過去最大の黒字となった5月の経常収支 »