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2025年10月 2日 (木)

小幅な上昇となった9月の消費者態度指数

本日、内閣府から9月の消費者態度指数が公表されています。9月統計では、前月から+0.4ポイント上昇して35.3を記録しています。まず、ロイターのサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

消費者態度指数9月は2カ月連続改善、生鮮食品価格の上昇一服が寄与か
内閣府が2日に発表した9月消費動向調査によると、消費者態度指数(2人以上の世帯・季節調整値)は前月比0.4ポイント上昇の35.3と2カ月連続で改善し、昨年12月以来の水準となった。基調判断は6月以来4カ月連続で「持ち直しの動きがみられる」とした。
消費者態度指数を構成する4つの意識調査のうち「暮らし向き」と「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」が改善、「収入の増えから」は横ばいだった。
内閣府では「生鮮食品の上昇一服が物価見通しなどに影響した可能性がある」とみている。
1年後の物価が上昇するとの回答比率は93.4%で前月と同水準だった。物価上昇幅の見通しについて、2%未満との回答は8月より増え、5%以上との回答は8月より減った。

いつもながら、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、消費者態度指数のグラフは下の通りです。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。影を付けた部分は景気後退期となっています。

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消費者態度指数を構成する4項目の指標について前月差で詳しく見ると、「耐久消費財の買い時判断」が+0.8ポイント上昇して28.8、「雇用環境」が+0.6ポイント上昇して39.9、「暮らし向き」が+0.5ポイント上昇し33.2、「収入の増え方」だけが前月から横ばいで39.4と、消費者態度指数を構成する4項目のうち3項目が上昇しました。統計作成官庁である内閣府では、基調判断を「持ち直しの動きがみられる」で据え置いています。6月統計で従来の「弱含んでいる」から、「持ち直しの動きがみられる」に1ノッチ上方修正してから、本日公表の9月統計まで4か月連続して「持ち直しの動きがみられる」の判断です。私が従来から主張しているように、いくぶんなりとも、消費者マインドは物価上昇=インフレに連動している部分があります。総務省統計局による消費者物価指数(CPI)のヘッドライン上昇率は今年2025年に入ってから1月+4.0%をピークに徐々に低下を続けており、6月+3.3%、7月+3.1%につづいて、直近の8月ではとうとう+3%を下回って、+2.7%まで減速しています。依然として日銀物価目標の+2%を上回っていますが、やや落ち着いてきた印象もあります。インフレとデフレに関する消費行動は、1970年代前半の狂乱物価の時期は異常な例としても、1990年代後半にデフレに陥る前であれば、インフレになれば価格が引き上げられる前に購入するという消費者行動だったのですが、バブル経済崩壊後の長い長い景気低迷機を経て、物価上昇により消費者が買い控えをする行動が目につくように変化したのかもしれません。こういった消費者行動の経済分析が必要だという気がしています。
また、物価上昇に伴って注目を集めている1年後の物価見通しは、5%以上上昇するとの回答がまだ49.2%を占めていますが、今年2025年4月には60%に達していたことを考えれば、少し割合が低下してきたことは事実です。他方で、2%以上5%未満物価が上がるとの回答が34.0%に上っており、これらも含めた物価上昇を見込む割合は93.4%と高い水準が続いています。加えて、引用した記事の最後のパラにも現れているように、物価上昇予想は上昇率の高い方へのシフトが解消されつつあります。これも、最近の物価統計などで実績としてのCPI上昇率が加速している影響が現れている可能性が高いと考えるべきです。

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