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2025年11月 7日 (金)

消費支出が5か月連続プラスとなった9月の家計調査

本日、総務省統計局から9月の家計調査の集計結果が公表されています。統計のヘッドラインとなる2人以上の世帯消費支出の前年同月比は、実質+2.3%の増加、名目+5.5%の増加となりました。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから報道を引用すると以下の通りです。

9月の実質消費支出1.8%増 5カ月連続プラス、車購入費押し上げ
総務省が7日発表した9月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は30万3214円だった。物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.8%増加した。5カ月連続でプラスとなった。自動車の購入費などが押し上げた。
QUICKが事前にまとめた予測中心値は2.5%増だった。
自動車等関係費が19.8%上がった。総務省の担当者は「中古車や軽自動車への支出が増加した可能性がある」と指摘する。2024年は台風などの影響で外出機会が減っており、その反動が出たとみられる。
10月からふるさと納税の仲介サイトでポイント付与が禁止となったことに絡み、9月は駆け込み利用によって寄付金が149.1%増加した。
食料は0.5%減と、4カ月連続で減った。菓子類が6.1%減少したほか、玉ねぎやネギなど生鮮食品の価格が上昇し、節約傾向に拍車をかけている。
直近は支出が減っていたコメは15.5%増と5カ月ぶりに増加した。24年8月は台風や南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)などが続き、災害に備えるための購入が増えた。翌9月は購入量が減った影響で25年9月は前年同月比で増加に転じた。
勤労者世帯の実収入は51万935円だった。名目で3.4%増となった。実質は持ち家の家賃換算分を除くベースで前年同月から横ばいだった。

いつもの通り、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、家計調査のグラフは下の通りです。上のパネルは、名目及び実質の消費支出の前年同月比の推移であり、下は季節調整済みの名目指数及び実質指数です。いずれも影をつけた期間は景気後退期です。

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まず、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは実質消費支出の前年同月比が+2.5%と予想されていました。実績の+1.8%はやや下振れした印象ながら、もともとが振れの大きな統計ですのでサプライズというほどのことはありません。品目別に私が注目していたのは食料なのですが、前年同月比で見て名目+6.2%増、実質▲0.5%減でした。食料支出の実質減少は4か月連続となっており、明らかに、インフレによる食料需要の減退が見られます。日本の食品企業はJTや酒類会社を別にすれば、かなり増収増益に企業が多いと私は感じているのですが、メディアなどでは「便乗値上げ」のの意見はまったく聞こえてきません。消費者庁の便乗値上げのweb窓口が設置されたのが2022年4月ですから、そろそろいろんな数字が出てきてよさそうに感じているのですが、大手メディアで報じられていないような気がするのは、私だけなのかもしれません。よく実体が判らない自動車等関係費などの交通・通信が実質で+11.1%伸びて、寄与度も+1.64%に上り、9月統計のほとんどを占めています。振れの大きな費目ですので、どこまでサステイナブル化は不明です。
上のグラフのうちの下のパネルの季節調整済みの指数を見ても、明らかに、2022年からのインフレ局面から停滞が始まっています。名目指数が伸びているのはインフレによる価格上昇によるものであり、百貨店などのインバウンド消費を別にすれば、国内家計による実質消費は停滞していると考えるべきです。

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