上昇幅がやや減速した10月の企業物価指数(PPI)
本日、日銀から10月の企業物価 (PPI) が公表されています。統計のヘッドラインとなる国内物価は前年同月比で+2.7%の上昇となり、9月統計の+2.8%から小幅に減速しています。ただ、依然として高い伸びが続いています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。
企業物価指数、10月2.7%上昇 伸び率は縮小
日銀が13日発表した10月の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は127.5と前年同月と比べて2.7%上昇した。伸び率は9月(2.8%上昇)から0.1ポイント縮小した。民間予測の中央値(2.5%上昇)を0.2ポイント上回った。
9月分の上昇率を2.7%から2.8%に遡及修正した。企業物価指数は企業間で取引するモノの価格動向を示す。サービス価格の動向を示す企業向けサービス価格指数とともに消費者物価指数(CPI)に影響を与える。
金属製品は0.7%上昇し、伸び率は9月(2.5%上昇)から1.8ポイント縮小した。電力・都市ガス・水道は0.5%下落した。
農林水産物は31.4%上昇した。伸び率は9月(31.9%上昇)から鈍化したものの、コメ価格の高止まりを背景に高水準がつづく。
日銀が公表している515品目のうち、価格が上昇したのは366品目、下落したのは125品目だった。24品目では価格が変わらなかった。
インフレ動向が注目される中で、長くなってしまいましたが、いつもながら、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業物価指数(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率をプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

ヘッドラインとなる国内企業物価の前年同月比上昇率について、引用した記事には民間予測の中央値が+2.5%とありますが、私の見た範囲では、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは+2.5%でした。実績の+2.7%はやや上振れた印象で、引き続き、日銀物価目標の+2%を大きく上回っていることは事実です。上昇幅が縮小したとはいえ、上昇率が高止まりしている要因は、農林水産物とそれに連動した飲食料品の価格上昇です。引き続き、コメなどが高い上昇率を示しています。また、対ドル為替相場は、高市内閣の成立により金利の再引上げにブレーキがかかる可能性があり、10月には+2.2%の円安が進みました。さらに、私自身が詳しくないので、日本総研「原油市場展望」(2025年11月)をエネルギー価格の参考として見ておくと、10月のWTI原油先物価格は、上旬に50ドル台後半に下落、中旬には50ドル台後半で一進一退の後、10月下旬から11月にかけては60ドル前後に反発しています。そして、「原油価格は、来年にかけて50ドル台後半に下落する見通し」とされています。ただ、円ベースの輸入物価指数の前年同月比は、今年2025年5~7月にはケタの下落を続けていましたが、10月には△1.5%と下落幅を縮小させています。いずれにせよ、国内物価の上昇は原油価格ではなく国内要因による物価上昇であることは明らかです。
企業物価指数のヘッドラインとなる国内物価を品目別の前年同月比上昇率・下落率で少し詳しく見ると、まず、引用した記事にもある通り、農林水産物は9月の+31.9%からやや減速しつつ、10月も+31.4%と高止まりしています。これに伴って、飲食料品の上昇率も9月は+4.8%と、8月と同じ上昇率となっています。電力・都市ガス・水道は9月の+0.6%から、10月は▲0.5%と前年比マイナスに戻っています。引用した記事にもある金属製品は9月の+2.5%から10月は+0.7%に上昇率が減速していますが、非鉄金属は9月の+9.6%から10月には+11.8%と、2ケタ上昇に加速しています。
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