依然として高い上昇率が続く11月の企業物価指数(PPI)
本日、日銀から11月の企業物価 (PPI) が公表されています。統計のヘッドラインとなる国内物価は前年同月比で+2.7%の上昇となり、先月10月統計と変わらず横ばいです。依然として高い伸びが続いています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。
企業物価指数、11月2.7%上昇 伸び率は横ばい
日銀が10日発表した11月の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は128.0と前年同月と比べて2.7%上昇した。伸び率は10月(2.7%上昇)から横ばいだった。民間予測の中央値(2.7%上昇)と同じだった。
企業物価指数は企業間で取引するモノの価格動向を示す。サービス価格の動向を示す企業向けサービス価格指数とともに消費者物価指数(CPI)に影響を与える。
農林水産物は30.1%上昇した。伸び率は10月(31.1%上昇)から鈍化したものの、コメ価格の高止まりを背景に高水準が続いている。
非鉄金属は14.9%上昇し、伸び率は10月(11.9%上昇)から3.0ポイント拡大した。銅などの価格高騰が影響した。
鉄鋼は6.8%下落した。中国による過剰生産で鉄鋼価格が下落したことが響いた。電力・都市ガス・水道は1.0%下落した。
日銀が公表している515品目のうち、価格が上昇したのは366品目、下落したのは121品目だった。28品目では価格が変わらなかった。
インフレ動向が注目される中で、長くなってしまいましたが、いつもながら、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業物価指数(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下のパネルは国内物価指数そのものを、それぞれプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

ヘッドラインとなる国内企業物価の前年同月比上昇率について、引用した記事には民間予測の中央値が+2.5%とありますが、私の見た範囲では、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは+2.7%でした。実績の+2.7%はジャストミートしましたが、引き続き、日銀物価目標の+2%を大きく上回っていることは事実です。国内物価が上昇率が高止まりしている要因は、引用した記事の3パラ目にもあるように、農林水産物とそれに連動した飲食料品の価格上昇です。引き続き、コメなどが高い上昇率を示しています。また、対ドル為替相場は、高市内閣の成立により円安が進んでおり、10月+2.2%の円安に続いて11月も+2.6&の円安となり、平均で対ドルレートは150円台半ばを記録しています。さらに、私はエネルギー価格動向に詳しくないので、日本総研「原油市場展望」(2025年11月)を参考として見ておくと、10月のWTI原油先物価格は、上旬に50ドル台後半に下落、中旬には50ドル台後半で一進一退の後、10月下旬から11月にかけては60ドル前後に反発しています。そして、「原油価格は、来年にかけて50ドル台後半に下落する見通し」とされています。ただ、円ベースの輸入物価指数の前年同月比は、今年2025年5~7月には2ケタの下落を続けていましたが、11月には△1.8%と下落幅を縮小させています。いずれにせよ、国内物価の上昇は原油価格ではなく国内要因による物価上昇であることは明らかです。
企業物価指数のヘッドラインとなる国内物価を品目別の前年同月比上昇率・下落率で少し詳しく見ると、まず、引用した記事にもある通り、農林水産物は10月の+31.1%からやや減速したとはいえ、11月も+30.1%と高止まりしています。これに伴って、飲食料品の上昇率も11月は+4.9%と、前月10月と同じ上昇率となっています。電力・都市ガス・水道は10月の▲0.6%から、11月は▲1.0%と下落幅を少し拡大しています。引用した記事にもある非鉄金属は10月の+11.9%から11月には+14.9%と上昇幅が拡大しています。
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