12月調査の日銀短観はほぼ横ばい圏内の動きか?
来週12月15日の公表を控えて、各シンクタンクから12月調査の日銀短観予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業製造業/非製造業の業況判断DIと全規模全産業の設備投資計画を取りまとめると下のテーブルの通りです。設備投資計画は今年度2025年度です。ただ、全規模全産業の設備投資計画の予想を出していないシンクタンクについては、適宜代替の予想を取っています。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、可能な範囲で、先行き経済動向に注目しました。短観では先行きの業況判断なども調査していますが、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開くか、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまででクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。
| 機関名 | 大企業製造業 大企業非製造業 <設備投資計画> | ヘッドライン |
| 9月調査 (最近) | +14 +34 <+8.4> | n.a. |
| 日本総研 | +15 +35 <+9.2%> | 先行きは、全規模・全産業で12月調査から▲4%ポイントの低下を予想。非製造業では、日中関係の悪化に伴う訪日中国人旅行者の落ち込みに対する懸念が業況を下押し。もっとも、① エネルギー安によるコスト削減圧力、② 物価の鈍化を受けた消費回復への期待、が業況を押し上げ。12月調査からの下振れ幅は、従来の傾向と比較して小幅となる見通し。 |
| 大和総研 | +13 +36 <+8.0%> | 12月日銀短観では、大企業製造業の業況判断DI(先行き)は+14%pt(最近からの変化幅: +1%pt)、 同非製造業は+35%pt(同: ▲1%pt)を予想する。 |
| みずほリサーチ&テクノロジーズ | +15 +34 <+9.5%> | 景況感の改善は緩やかなペースにとどまるとみている。自動車の輸出数量が回復に転じている要因のひとつとして、輸出価格の引き下げが挙げられる。米国側の輸入企業が支払う追加関税コストを、事実上、日本の自動車メーカーが一部負担している格好だ。こうした企業行動は限界利益率の低下を通じて経常利益を大幅に下押ししている。そうしたもとで、2025年度の業績については自動車産業など、米国の輸入関税率が大きく引き上げられた業種を中心に悪化が見込まれる。米国市場で過度に価格を引き上げれば売上数量に下押し圧力がかかるため、安易な価格転嫁は難しい。こうした事情を踏まえると、自動車産業では当面関税コスト負担が継続する可能性が高い。その他の製造業においても15%の追加関税が適用されているが、関税上昇分のフル転嫁は当面難しいだろう。 |
| ニッセイ基礎研 | +16 +34 <+8.5%> | 先行きの景況感は総じて悪化が示されると予想。製造業では、高関税が続くことや関税が再び引き上げられるリスクへの警戒感が燻るだろう。非製造業では、長引く物価高による消費の腰折れや人手不足への懸念のほか、円安による原材料費増加や日中関係悪化に伴うインバウンド需要減少への警戒が台頭し、先行きの景況感の悪化として現れると見ている。 |
| 第一生命経済研 | +15 +33 <大企業製造業14.3%> | 設備投資の勢いは、たとえ日銀が+0.25%程度の利上げをしたとしても揺るぎはしないであろう。そうした腰の強さも、日銀が円安是正を主眼にして追加利上げをするときの自信につながるだろう。 |
| 三菱UFJリサーチ&コンサルティング | +16 +34 <大企業全産業+11.0%> | (大企業製造業) 先行きは、海外経済の下振れ警戒感などから、業況判断DI(先行き)は2ポイント悪化の14と慎重な見通しとなるであろう。 (大企業非製造業) 人手不足の深刻化、日中関係の悪化への警戒感などから、業況判断DI(先行き)は4ポイント悪化の30と慎重な見通しになるだろう。 |
| 農林中金総研 | +15 +33 <8.0%> | 先行きに関して、製造業ではトランプ関税による悪影響は今後も浸み出すと予想され、懸念は払拭できないだろう。非製造業については足元でみられる消費マインド改善は業績や景況を下支えするものの、日中関係の悪化に伴うインバウンド需要減少への懸念が反映されるとみられる。また、人件費増が業績圧迫につながることへの警戒感、人手不足が深刻な業種では業務を順調にこなせないことへの不安も根強いとみられる。以上から、製造業では大企業が12、中小企業が▲1と、今回予測からそれぞれ▲3ポイント、▲2ポイントと予想する。非製造業では大企業が27、中小企業が6と、今回予測からいずれも▲6ポイントと予想する。 |
見ての通りで、大企業製造業・非製造業ともに景況感についてはほぼ横ばい圏内の動きと私は考えています。製造業に関しては米国の関税政策がマイナス要因である一方で、プラス要因としては、特に、高市内閣になってからの円安の進行が輸出に追い風となり、AI関連需要も盛上がりを見せています。非製造業に関しては、製造業よりもややネガな印象で、何といってもインフレ高進による消費者マインドの悪化に加えて、日中関係の悪化に伴うインバウンド消費にも警戒が必要な段階に達していると私は考えています。ただ、いずれも、決定的に大きな動きをもたらすものではなく、総じて見れば製造業・非製造業ともに横ばい圏内、ということなのだろうと思います。設備投資についても同様で、上のテーブルを見ても、9月調査からの上方改定を見込むシンクタンクもあれば、下方修正を予測するケースもあります。私自身は小幅な下方修正と考えています。
最後に、下のグラフは三菱UFJリサーチ&コンサルティングのリポートから引用しています。
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