« 依然として高い上昇率が続く11月の企業物価指数(PPI) | トップページ | 12月調査の日銀短観はほぼ横ばい圏内の動きか? »

2025年12月11日 (木)

景況感の回復続く10-12月期の法人企業景気予測調査(BSI)

本日、財務省から10~12月期の法人企業景気予測調査が公表されています。ヘッドラインとなる大企業全産業の景況感判断指数(BSI)は足元の10~12月期は+4.9、先行き2026年1~3月期には+3.7、4~6月期には+1.6と、景況感は改善が続くと見込まれています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

大企業の10-12月景況感、2四半期連続のプラス 米関税懸念和らぐ
内閣府と財務省が11日発表した10~12月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数(BSI)はプラス4.9だった。製造業、非製造業のいずれも改善し、2四半期連続のプラスとなった。
指数は自社の景況が前の四半期より「上昇」と答えた企業の割合から「下降」の割合を引く。前回の7~9月期はプラス4.7だった。調査時点は11月15日。
トランプ米政権による関税措置の発動を受け、製造業を中心に業績悪化の懸念があった4~6月期にマイナスとなって以降は改善が続いた。製造業はプラス4.7で2四半期連続のプラスだった。
特に米関税の影響が大きかった自動車・同付属品製造業はプラス6.5と2四半期連続のプラスとなった。化学工業で自動車向け製品や医薬品の需要増加があったほか、食料品製造業は価格転嫁が進んだ効果があった。
非製造業もプラス5.1と2四半期連続のプラスだった。金融業・保険業で貸出金利の上昇や株価の上昇による収益の改善があった。サービス業は宿泊や飲食で客数や客単価の上昇がプラスに寄与した。
大企業の先行きは全産業ベースで2026年1~3月期はプラス3.7、4~6月はプラス1.6だった。製造業、非製造業ともにプラスで米国の関税政策による不透明感が和らぎ、改善が続く見通しだ。
中堅企業の全産業はプラス4.7で2四半期連続のプラスとなった一方、中小企業の全産業はマイナス3.7と悪化が続いている。

かなり長くなりましたが、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、法人企業景気予測調査のうち大企業の景況判断BSIのグラフは下の通りです。重なって少し見にくいかもしれませんが、赤と水色の折れ線の色分けは凡例の通り、濃い赤のラインが実績で、水色のラインが先行き予測です。影をつけた部分は、景気後退期を示しています。

photo

繰返しになりますが、統計のヘッドラインとなる大企業全産業の景況判断指数(BSI)はプラスを継続していて、したがって、景況感は順調に改善を続けると考えるべきです。ただ、大企業においては、製造業・非製造業とも似通った動きで、ついでながら、中堅企業も同じなのですが、中小企業については足元の10~12月期がそもそも▲3.7とマイナスであり、先行き2026年1~3月期は▲6.6とマイナス幅が拡大し、4~6月期も▲3.4とマイナスが続く、という結果が示されています。自動車工業が典型なのですが、米国の関税引上げに対して価格がそれほど柔軟に対応せず、いわば、自動車メーカーや仲介商社が価格転嫁をせずに輸出数量=自動車台数を維持している部分がありますので、まさか、とは思いますが、トランプ関税のしわ寄せを規模の小さな下請けが背負わされている可能性はゼロではありません。また、引用した記事にはありませんが、雇用人員は引き続き大きな「不足気味」超を示しており、大企業全産業で見て12月末時点で+28.0の不足超、中堅企業では+37.4の不足超、中小企業でも+31.4の不足超と大きな人手不足が続く見通しです。設備投資計画は今年度2025年度に全規模全産業で+6.6%増が見込まれています。期待していいのではないかと思いますが、まだ、機械受注の統計やGDPに明確に反映されるまで至っていませんので、私自身は計画倒れになる可能性も否定できないと認識しています。

果たして、来週12月15日公表予定の12月調査の日銀短観やいかに?

|

« 依然として高い上昇率が続く11月の企業物価指数(PPI) | トップページ | 12月調査の日銀短観はほぼ横ばい圏内の動きか? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 依然として高い上昇率が続く11月の企業物価指数(PPI) | トップページ | 12月調査の日銀短観はほぼ横ばい圏内の動きか? »