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2026年1月26日 (月)

大和総研リポート「『飲食料品の消費税ゼロ』『消費税一律5%』の費用対効果と必要性」

やや旧聞に属するトピックながら、1月21日に大和総研から「『飲食料品の消費税ゼロ』『消費税一律5%』の費用対効果と必要性」と題するリポートが明らかにされています。物価高対策として消費減税の必要性を疑問視し、むしろ、、給付付き税額控除の導入に重点を置くべきという結論となっておます。まず、リポートから要約を2点引用すると次の通りです。

[要約]
  • 自民党などが掲げる飲食料品の消費税ゼロと、一部の野党が主張する消費税率5%への一律引き下げによる家計負担への影響を試算すると、前者は世帯あたり年8.8万円、後者は同28.1万円軽減される。個人消費の喚起効果は前者で0.5兆円(GDP押し上げ効果は0.3兆円)程度、後者では1.5~4.6兆円(同1.1~3.2兆円)程度だ。いずれの施策も、生活を下支えする必要性の低い家計により多くの財政支出が充てられ、年間5~15兆円程度の財源が必要な割に経済効果は小さいとみられる。
  • 高市早苗政権が閣議了解した政府見通しによると、2026年度の消費者物価指数は前年比+1.9%へと減速する。基礎控除の引き上げなどの実施も踏まえると、追加の物価高対策として消費減税を実施する必要はない。今後、飲食料品の消費税ゼロを2年間の時限措置として実施する場合でも、延長せずに予定通り終了し、給付付き税額控除の導入に向けた制度設計を国民会議で積極的に進めるべきだ。

まず、財務省による減税額として、「軽減税率対象の飲食料品の消費税ゼロは年間4.8兆円、消費税率5%への一律引き下げは同15.3兆円、消費税の廃止は同31.4兆円の減税となる」とした上で、世帯年収分位別に見た家計の負担軽減額を試算しています。世帯年収ごとに見た消費減税の負担軽減額 のグラフをリポートから引用すると次の通りです。

photo

見れば明らかですが、。飲食料品の消費税ゼロでは、年収上位20%の第Ⅴ分位世帯の負担軽減額は年収下位20%の第Ⅰ分位世帯の2倍ほどに上り、消費税一律5%では、それが3倍ほどに拡大します。常に消費財などの間接税負担で繰り返される議論ながら、消費税率を引き下げる場合、額としては高所得家計に恩恵が大きく、率としては低所得家計に恩恵が大きくなるわけです。マクロの集計量としての「恩恵」ということでしたらそういう考えもできるかもしれません。しかし、食料やこの厳冬の季節の燃料については、ここまで格差が拡大し貧困が広がった日本社会においては、単なる金額ベースの議論では尽くせない可能性も直視すべきです。国民の健康管理やひょっとしたら生命の維持のためにも、私は食料の価格低下に直結する消費税率の引下げや撤廃は政策の選択肢として大いに検討を進めるべきと考えています。

ですから、インフレに対応する政策としては、マイクロな価格政策については消費税率を操作し、マクロの需要抑制については金融政策で対応する、というのがもっともあり得べき政策ではないか、と私は考えています。

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コメント

個人的には、消費税の減税合戦にはちょっとなあと思っております。やるのなら、エッセンシャルワーカーに何とかその分を還元してあげたいのですけどね。

投稿: kincyan | 2026年1月27日 (火) 21時54分

>kincyanさん
>
>個人的には、消費税の減税合戦にはちょっとなあと思っております。やるのなら、エッセンシャルワーカーに何とかその分を還元してあげたいのですけどね。

そうですね。
でも、政策の選択肢が広がるようで、私は悪いことではないと思います。出来れば避けたかったのは、各政党で、みんながみんな同じように消費税減税を言い出すことなのではないか、という気がします。

投稿: ポケモンおとうさん | 2026年1月27日 (火) 23時32分

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