大きな前月比マイナスとなった2025年11月の機械受注
本日、内閣府から昨年2025年11月の機械受注が公表されています。民間設備投資の先行指標であり、変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月から▲11.0%減の8839億円と、3か月連続の減少を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。
25年11月の機械受注11.0%減、3カ月ぶり減少 基調判断は据え置き
内閣府が19日発表した2025年11月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標とされる船舶・電力を除く民需(季節調整済み)は前月比で11.0%減の8839億円だった。3カ月ぶりの減少となった。基調判断は「持ち直しの動きがみられる」で据え置いた。製造業・非製造業ともに減少した。
QUICKが事前にまとめた市場予測の中央値は5.2%減だった。
製造業は3982億円で10.8%減った。製造業17業種のうち15業種が前月比で減少した。非鉄金属が66.6%減と全体を押し下げた。自動車・付属品は6.5%減少し、2カ月ぶりにマイナスに転じた。
非製造業は4929億円で10.7%減った。運輸・郵便業が24.7%減少した。鉄道車両で大型案件の発注があった前月の反動減があった。建設業は掘削機械などの発注が増え、3.0%のプラスとなった。
全体の月ごとのぶれをならした3カ月移動平均は0.2%の減少だった。
包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、機械受注のグラフは上の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

まず、引用した記事には「市場予測の中央値は5.2%減」とありますが、私が確認した範囲では、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは前月比▲5.1%減、レンジの下限でも▲9.9%減でした。実績の▲11.0%減は予想レンジ下限を超える大きな下振れでした。ただし、昨年2025年9月の前月比+4.2%増、10月+7.0%増の後でしたので、11月までの3か月後方移動平均ではまだ▲0.2%減ですので、統計作成官庁である内閣府では、基調判断を「持ち直しの動きがみられる」と先月からの上方修正で据え置いています。微妙なところかという気はしますが、上のグラフは内閣府のように3か月ではなく6か月の後方移動平均を取っていて、ユニバリエイトな判断ながら、このグラフを見ても、まだ明確な転換ではない可能性が読み取れると思います。業種別に季節調整済みの前月比で見て、製造業が▲10.8%減の一方で、船舶・電力除く非製造業は+10.7%増となっています。まあ、どっちもどっちなわけです。ただ、コア機械受注の外数ながら、また、どこの誰も報じていないながら、官公需が前月比で+67.8%増となっており、高市内閣の「責任ある積極財政」が統計で示されている可能性があります。あるいは、この時期からすでに解散が予定されていたのかもしれません。そのあたりは私には情報がありません。
日銀短観などで示されたソフトデータの投資計画が着実な増加の方向を見込んでいる一方で、機械受注やGDPなどのハードデータで設備投資が増加していないという不整合があり、現時点ではまだ解消されているわけではないと私は考えています。人手不足は見込み得る範囲の近い将来にはまだ続くことが歩く予想されますし、DXやGXに向けた投資が盛り上がらないというのは、低迷する日本経済を象徴しているとはいえ、大きな懸念材料のひとつです。かつて、途上国では機械化が進まないのは人件費が安いからであるという議論が広く見受けられましたが、日本もそうなってしまうのでしょうか。設備投資の今後の伸びを期待したいところですが、先行きについては決して楽観はできません。特に、日銀が金利の追加引上げにご熱心で、市場における積極財政の評価もあって、長期金利は今世紀最大の水準にまで上昇しています。為替への影響を別にしても、金利に敏感な設備投資には悪影響を及ぼすことは明らかです。トランプ関税も日本向けは一段落したとしても、欧州向けの動向が不透明ですし、どう考えても、先行きについてリスクは下方に厚いと考えるべきです。
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