2025年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率は+3%を下回る
本日、総務省統計局から昨年2025年12月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPI上昇率は、季節調整していない原系列の前年同月比で見て、前月から減速して+2.4%を記録しています。日銀物価目標の+2%に比べてかなり大きなインフレが続いています。日銀の物価目標である+2%以上の上昇は2022年4月から45か月、すなわち、4年近く続いています。ヘッドライン上昇率も2.1%に減速している一方で、生鮮食品とエネルギーを除く総合で定義されるコアコアCPI上昇率は+2.9%となっています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。
消費者物価指数、12月2.4%上昇 3カ月ぶり3%下回る
総務省が23日発表した2025年12月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合が112.2となり、前年同月と比べて2.4%上昇した。上昇率は3カ月ぶりに3%を下回った。ガソリンの価格が下がり、上昇率が縮小した。
QUICKが事前にまとめた市場予測の中央値は2.4%の上昇となっていた。11月の上昇率は3%だった。日銀が物価安定の目標とする前年比2%以上となるのは22年4月以降、45カ月連続となった。
12月の生鮮食品を除く食料は6.7%上昇した。伸び率は5カ月連続で縮小した。2024年夏ごろから価格が上がっていたコメ類は34.4%だった。依然として高いが、上昇幅は縮小している。
原材料のカカオが高騰しているチョコレート(25.8%)、主要輸出国のブラジルの天候不良がおきたコーヒー豆(47.8%)は高い上昇率だった。
エネルギーは3.1%下がった。4カ月ぶりに下落に転じた。年末のガソリン旧暫定税率廃止に向けた移行措置での補助金の拡充などで、ガソリン価格が7.1%下がったことが影響した。
同日には25年平均も発表された。生鮮食品を除く総合は111.2で、前年比3.1%上昇した。24年平均(2.5%)を上回った。上昇は4年連続だった。生鮮食品を除く食料が7.0%上昇し、全体を押し上げた。
何といっても、消費者物価指数(CPI)は現在もっとも注目されている経済指標のひとつですので、やや長い記事でしたが、いつものように、よく取りまとめられているという気がします。続いて、消費者物価(CPI)上昇率のグラフは下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIと生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI、それぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフはコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。寄与度はエネルギーと生鮮食品とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1ケタの指数を基に私の方で算出しています。丸めずに有効数字桁数の大きい指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。統計局の公表数値を入手したい向きには、総務省統計局のサイトから引用することをオススメします。

引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは+3.0%ということでした。実績の+2.4%とジャストミートしたということのようです。また、エネルギー関連の価格については、引用した記事にもある通り、、「燃料油価格定額引下げ措置」による補助金が11月中旬から開始されており、ガソリンについては12月30日で終了しましたが、逆に、その時点で旧暫定税率が廃止されています。ということで、品目別に消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率とヘッドライン上昇率である+2.4%に対する寄与度を少し詳しく見ると、まず、繰り返しになりますが、エネルギーの寄与度は2025年12月統計ではマイナスに転じていて、ヘッドラインCPI上昇率に対するエネルギーの寄与度は前月の11月統計の+0.19%に対して、12月は▲0.25%となっています。したがって、いわゆる寄与度差は▲0.44%に達していて、コアCPI上昇率が11月の+3.0%から12月の+2.4%に▲0.6%ポイント減速したうちの3/4を占めています。逆にいえば、エネルギーを除く物価が上昇している、と考えるべきです。例えば、生鮮食品を除く食料価格の上昇は引き続き大きく、前年同月比で+6.7%、寄与度で+1.62%に上ります。CPI総合の上昇率である+2.4%の2/3が食料価格の上昇に起因するというわけです。特に、食料の中で上昇率が大きいのはコメであり、生鮮食品を除く食料の寄与度+1.62%のうち、コシヒカリを除くうるち米だけで寄与度は+0.20%に達しています。引用した記事とは少し分類が異なりますが、上昇率は前年同月比で+34.3%ですから、一時のピークは超えた可能性がありますが、まだまだきわめて高い上昇率と考えるべきです。コメが値上げされれば、当然に、おにぎりやすしの価格も上がります。ただ、消費者物価の全体、というか平均として上昇率としてはまだ日銀の物価目標である+2%を超えているものの、物価上昇がピークアウトしつつある可能性もあります。
多くのエコノミストが注目している食料の細かい内訳について、前年同月比上昇率とヘッドラインCPI上昇率に対する寄与度で見ると、繰り返しになりますが、生鮮食品を除く食料が上昇率+6.7%、寄与度+1.62%に上ります。その食料の中で、これも繰り返しになりますが、コシヒカリを除くうるち米が大きく値上がりしていて、寄与度も+0.20%あります。うるち米を含む穀類全体の上昇率は+14.7%、寄与度は+0.38%に上ります。東京都区部のコメ価格のグラフは農水省のサイトで見ることが出来ます。下のグラフの通りです。コメに加えて、カカオショックとも呼ばれたチョコレートなどの菓子類も上昇率+8.6%、寄与度+0.23%に上っています。特に、その中でも、チョコレートは上昇率+25.8%、寄与度0.11%に達しています。コメ値上がりの余波を受けたおにぎりなどの調理食品が上昇率+5.7%、寄与度+0.22%、調理食品の中でもおにぎりが上昇率+13.1%、寄与度0.02%に上っています。同様に、すしなどの外食も上昇率+4.0%、寄与度+0.19%を示しています。ほかの食料でも、ブラジルの天候不良による需給逼迫のため、コーヒー豆などの飲料も上昇率+7.7%、寄与度0.14%、鶏肉などの肉類が上昇率+4.7%、寄与度+0.12%、乳卵類も上昇率+7.8%、寄与度+0.11%、また、コアCPIの外数ながら、生鮮魚介も上昇率+8.3%、寄与度+0.11%、などなどと書き出せばキリがないほどです。食料はエネルギーとともに国民生活に欠かせない基礎的な財であり、実効ある物価対策とともに、価格上昇を上回る賃上げや最低賃金の大幅な引上げを期待しています。

最後に、物価に大きく関連して、本日、日本銀行の金融政策決定会合にて、政策金利を0.75%で据え置く旨の「当面の金融政策運営について」が決定されています。「展望リポート」の経済見通しでは、来年度2026年度の成長率および物価上昇率の見通しが上方修正されています。大きな変更ではないと私は受け止めています。
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