上昇率が縮小する1月の企業物価指数(PPI)
本日、日銀から1月の企業物価 (PPI) が公表されています。統計のヘッドラインとなる国内物価は前年同月比で+2.3%の上昇となり、59か月、ほぼほぼ5年連続の上昇です。先月2025年12月統計からやや伸びは縮小したとはいえ、日銀物価目標の+2%を上回って高い上昇率が続いています。まず、ロイターのサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。
国内企業物価、1月は前年比2.3%上昇 銅など非鉄金属市況が上昇
日銀が12日に発表した1月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数は前年比2.3%上昇した。非鉄金属や農林水産物などが上昇に寄与した。59カ月連続プラス。前月比では0.2%上昇だった。
前年比の伸び率は前月からわずかに縮小。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値と一致した。
指数は2020年水準を100として128.4。比較可能な1980年以降で最高水準となっている。
前年比の上昇で最も指数の押し上げに寄与したのは非鉄金属で、前年比33.0%上昇した。銅などの市況上昇が影響している。
農林水産物は同22.4%上昇した。集荷業者が農家に支払う概算金が引き上げられたことがコメの値上がりにつながった。飲食料品は同4.7%上昇。引き続き原材料や包装資材などの諸コスト上昇を転嫁する動きが出ている。
全515品目中、前年比で上昇したのは356品目、下落は132品目。差し引きは224品目となった。
日銀の担当者は「銅をはじめとする非鉄金属市況の上昇と、原油市況の下落が相殺し、全体として小動きとなった」と、今月の特徴を説明した。
先行きについて、大和証券のエコノミスト、鈴木雄大郎氏は「2月から4月にかけて政府による電気代・ガス代の補助策の影響で、事業用電力価格や都市ガス代などが押し下げる方向に寄与する」と指摘。前年比はプラス2%を下回る可能性が高いとみている。
インフレ動向が注目される中で、長くなってしまいましたが、いつもながら、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業物価指数(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下のパネルは国内物価指数そのものを、それぞれプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

まず、企業物価のうちヘッドラインとなる国内物価上昇率は、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは+2.4%でした。引用した記事の2パラにもあるように、ロイターでも同じ+2.3%と見込んでおり、実績の+2.3%とジャストミートし、引き続き、日銀物価目標の+2%を大きく上回っています。国内物価が上昇率が高止まりしている要因は、引用した記事の4-5パラにもあるように、非鉄金属と農林水産物の価格上昇であり、さらに、農林水産物に連動して飲食料品の価格上昇も継続しています。もちろん、コメなどが高い上昇率を示しています。また、対ドル為替相場は、高市内閣の成立により円安が進んでおり、2025年10月+2.2%、11月+2.6%の円安の後、12月も+0.5%、2026年に入っても1がつ+0.5%の円安となり、平均で対ドルレートは150円台後半を記録しています。さらに、私はエネルギー動向に詳しくないので、日本総研「原油市場展望」(2026年2月)を参考として見ておくと、1月のWTI原油先物価格は、米国によるベネズエラ攻撃やイランにおける反政府デモの激化、さらに、ロシアの石油タンカーに対するドローン攻撃など、地政学的リスクの増大を通じた供給懸念により一時60ドル台に乗せたものの、先行き見通しについては「原油価格は、年央にかけて50ドル台に下落する見通し」とされています。需要サイドでは中国経済の低迷が理由に上げられています。加えて、「OPECプラスやブラジル・ガイアナ・カナダなどの南北アメリカ大陸の産油国が増産を行う」と予想しています。ただ、円ベースの輸入物価指数の前年同月比は、今年2025年2月から11か月に渡ってマイナスを続けてきましたが、2025年12月統計では前年同月から+0.2%の上昇、2026年1月統計でも+0.5%の上昇を示しています。いずれにせよ、国内物価の上昇は原油価格ではなく国内要因による物価上昇であることは明らかです。
企業物価指数のヘッドラインとなる国内物価を品目別の前年同月比上昇率・下落率で少し詳しく見ると、まず、引用した記事にもある通り、非鉄金属が2025年12月の+22.2%から2026年1月には+33.0%に上昇率が加速し、農林水産物も2025年12月の+26.1%からやや減速したとはいえ、2026年2月も+22.4%と高止まりしています。農林水産物の価格上昇に伴って、飲食料品の上昇率も1月は+4.7%と、前月2025年12月の+4.8%とほぼ同じ上昇率となっています。電力・都市ガス・水道は▲4.3%と政府の電気・ガス料金負担軽減支援事業により下落しています。ただ、この政策は3月使用分までですので、4月からはどうなるのか不透明です。
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