市場予想を大きく下回った2月の米国雇用統計
日本時間の今夜、米国労働省から2月の米国雇用統計が公表されています。非農業雇用者数の前月差は、1月統計の+126千人増から2月統計では▲92千人減と市場予想を大きく下回り、失業率は1月の4.3%から+0.1%ポイント上昇して4.4%を記録しています。まず、USA Today のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を手短に最初の2パラだけ引用すると以下の通りです。
US shed 92,000 jobs, unemployment ticked up to 4.4% in February
The U.S. economy shed 92,000 jobs in February, the Bureau of Labor Statistics estimated March 6, a sign the overall labor market is still in low-hire mode as employers continue to navigate tariff-related inflation pressures, AI adoption, and geopolitical uncertainty.
The February estimate comes in much lower than the BLS' now-revised gain of 126,000 jobs added in January, which was much higher than the agency's revised figures for 2025, when U.S. employers added only 181,000 jobs throughout the entire year, or about 15,000 a month.
いつもの通り、よく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルでは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門を、さらに、下は失業率をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。NBERでは2020年2月を米国景気の山、2020年4月を谷、とそれぞれ認定しています。ともかく、2020年4月からの雇用統計からやたらと大きな変動があって縦軸のスケールを変更したため、わけの判らないグラフになって、その前の動向が見えにくくなっています。少し見やすくしたのですが、それでもまだ判りにくさが残っています。その上、米国連邦政府のシャットダウンにより、2025年10月の失業率は公表されていません。よ~く見ると、下のパネルの失業率がその部分が欠損値になっているのが見て取れます。

米国の雇用は非農業部門雇用者の増加については、最新の利用可能な2月統計もさることながら、昨年2025年12月の非農業部門雇用者の前月差が前回公表値の+48千人増から▲17千人減へ、また、今年2026年1月統計のデータも+130千人増から+126千人増へ、それぞれ下方修正されています。失業率は4%台半ばにあるとはいえ、わずかながら上昇し、米国雇用は減速が鮮明になっています。米国連邦準備制度理事会(FED)は2025年中に175ベーシスの利下げを実行していますが、この雇用統計を受けて、次回3月17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利下げが決定されるかどうか、私はビミョーだと受け止めています。どうしてかというと、米国とイスラエルによるイラン攻撃は、石油価格の上昇を通じて明らかにインフレ圧力を高めると考えられるからです。雇用と物価のデュアルマンデートを背負う米国連邦準備制度理事会(FED)は難しい金融政策の舵取りを担うことになります。
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