米国・イスラエルのイラン攻撃前の法人企業景気予測調査は過去の数字か?
本日、財務省から1~3月期の法人企業景気予測調査が公表されています。ヘッドラインとなる大企業全産業の景況感判断指数(BSI)は足元の1~3月期は+4.4、先行き4~6月期には+2.0、7~9月期には+5.6と、景況感は改善が続くと見込まれています。ただ、調査時点は米国とイスラエルのイラン攻撃前の2月15日だっと報じられており、どこまで先行きの景況感が維持されるかは未知数です。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。
大企業の1-3月景況感、3四半期連続プラス イラン情勢悪化前の調査
内閣府と財務省が12日発表した1~3月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数(BSI)はプラス4.4だった。3四半期連続のプラスとなった。
調査は米国・イスラエルとイランの軍事衝突前の2月15日時点。中東情勢の悪化による原油価格の急騰などを反映していない。
指数は自社の景況が前の四半期より「上昇」と答えた企業の割合から「降下」の割合を引く。前回の2025年10~12月期はプラス4.9だった。
製造業はプラス3.8、非製造業もプラス4.6でいずれも3四半期連続のプラスだった。
製造業は生産用機械器具製造業で半導体製造装置や省人化投資関連の需要が増加した。自動車・同付属品製造業はプラス9.6だった。米国の関税措置による業績悪化の懸念でマイナスになった25年4~6月期以降は改善が続いた。
非製造業ではサービス業に価格改定の効果がみられたほか、コンサルタントや広告といった職種で需要が増えた。建設業はデータセンター需要の高まりが景況判断を押し上げた。
大企業の先行きは全産業ベースで4~6月期はプラス2.0、7~9月期はプラス5.6と改善が続く見通しだ。
中堅企業の現状は全産業がプラス0.2でプラスを維持した一方、中小企業の全産業はマイナス12.9と悪化が続いた。
財務省の担当者は「景気が緩やかに回復しているという政府の認識と齟齬(そご)がない」と語った。
かなり長くなりましたが、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、法人企業景気予測調査のうち大企業の景況判断BSIのグラフは下の通りです。重なって少し見にくいかもしれませんが、赤と水色の折れ線の色分けは凡例の通り、濃い赤のラインが実績で、水色のラインが先行き予測です。影をつけた部分は、景気後退期を示しています。

繰返しになりますが、統計のヘッドラインとなる大企業全産業の景況判断指数(BSI)はプラスを継続していて、したがって、景況感は順調に改善を続けると考えるべきです。ただ、繰返しになりますが、米国とイスラエルによるイラン攻撃やその余波としての石油価格上昇前に調査された結果ですので、企業マインドにどのような変化があったかは、この統計からは不明としかいいようがありません。過去の数字と見なすエコノミストも少なくないと私は想像しています。なお、日銀発表によれば、日銀短観の調査表発送日は2月26日、基準回収日は本日3月12日だそうですから、この法人企業景気予測調査の結果から日銀短観は大きな違いを見せる可能性が十分あります。
大企業においては、製造業・非製造業とも景況判断指数(BSI)は似通った動きで、ついでながら、中堅企業も同じなのですが、中小企業の景況判断指数(BSI)については足元の1~3月期がそもそも▲12.9と大きなマイナスであり、先行き7~9月期の▲1.6までマイナスが続く、という結果が示されています。また、引用した記事にはありませんが、雇用と設備投資計画について簡単に見ておくと、従業員数判断BSIは引き続き大きな「不足気味」超を示しており、大企業でも、中堅企業でも、中小企業でも、足元の3月末時点、6月末のじて、9月末の時点まで、ずっとで+20の大きな不足超=人手不足が継続するという見通しが示されています。設備投資計画は今年度2025年度に全規模全産業で+3.9%増が見込まれています。ただ、前回調査では+6.6%増が見込まれていましたので、下方修正された印象があります。
どうでもいいことながら、引用した日経新聞の記事では「米国・イスラエルとイランの軍事衝突」と表現されている一方で、時事通信の配信では、私のブログと同じ「米イスラエルによるイラン攻撃」となっています。政府による暗黙の報道統制めいたものが日経新聞にはよく現れている、おそらく、それをポジに受け止める購読者も少なくない、と私は勝手に想像しています。
果たして、4月1日公表予定の3月調査の日銀短観やいかに?
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