« 基調判断が引き上げられた2月の消費者態度指数 | トップページ | 市場予想を大きく下回った2月の米国雇用統計 »

2026年3月 5日 (木)

来週公表予定の2025年10-12月期GDP統計速報2次QEは1次QEから上方修正の予想

今週火曜日3月3日の法人企業統計をはじめとして必要な統計がほぼ出そろって、来週3月10日に、昨年2025年10~12月期GDP統計速報2次QEが内閣府より公表される予定となっています。すでに、シンクタンクなどによる2次QE予想が出そろっています。ということで、いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下のテーブルの通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、GDP統計の期間である昨年2025年10~12月期ではなく、足元の1~3月期から先行きの景気動向を重視して拾おうとしています。先行き経済について言及しているシンクタンクはみずほリサーチ&テクノロジーズと第一生命経済研究所などいくつかあり、特にこの2機関は長々と引用してあります。ただし、いつもの通り、2次QE予想は法人企業統計のオマケ的な扱いのシンクタンクも少なくありません。いずれにせよ、1次情報にご興味ある向きは一番左の列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。ただし、最後の行の東京財団だけは、いわゆるナウキャスティングですので、足元の1~3月期の予想となっています。なお、"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
内閣府1次QE+0.1%
(+0.2%)
n.a.
日本総研+0.3%
(+1.2%)
2025年10~12月期の実質GDP(2次QE)は、設備投資と公共投資が上方改定される見込み。この結果、成長率は前期比年率+1.2%(前期比+0.3%)と、1次QE(前期比年率+0.2%、前期比+0.1%)から上振れると予想。
大和総研+0.4%
(+1.5%)
2025年10-12月期のGDP2次速報(QE)(3月10日公表予定)では実質GDP成長率が前期比年率+1.5%と、1次速報(同+0.2%)から上方修正されると予想する。主因は10-12月期の法人企業統計の結果を受けた設備投資の上方修正だ。
みずほリサーチ&テクノロジーズ+0.2%
(+0.8%)
先行きについてみると、2026年1~3月期の実質GDPは個人消費や設備投資などの内需を中心に緩やかな拡大ペースを維持すると予想する。
個人消費は、実質賃金の改善が追い風になると見込む。名目賃金の上昇傾向が続く一方、食料インフレの減速や政府の物価高対策を受けて物価の伸びが抑制されるためだ。2025年末にいわゆるガソリン暫定税率が廃止されたことに加え、2025年度補正予算に盛り込まれた電気・ガス代支援の効果が2026年2~4月のインフレ率を押し下げる(支援実施期間は1~3月)要因になる。実際、2月の都区部コアCPI(生鮮食品を除く総合)は前年比+1.8%(1月: 同+2.0%)と、2024年10月以来の2%割れとなった。こうした実質賃金の改善に加えて、足元のいわゆる「高市トレード」による株高も資産効果(消費性向の高まり)を通じて個人消費を支える要因になろう。
設備投資は、企業の堅調な景況感・業績や、省力化・DX関連投資といった構造的な投資需要を背景とする旺盛な設備投資意欲を受け、拡大傾向が続くだろう。なお、米国の関税政策については、2月20日の米連邦最高裁判所の判決を受けて相互関税が廃止され、新たな追加関税が発動された。日本からの輸出品に対する関税率は大きく変化しない見通しだが、新たな追加関税が時限的な措置であり、今後も米国関税政策に関する不確実性が残る点には注意が必要だ。
2026年度の日本経済は、こうした個人消費や設備投資の拡大に、高市政権の総合経済対策の効果も本格的に加わり、前年比+1%前後の堅調な成長になると見込まれる。公共投資を中心とする公的需要の拡大、エッセンシャルワーカーの処遇改善や子育て応援手当などを通じた消費喚起、そして、「危機管理投資・成長投資」による設備投資の支援策が、2026年度の成長率を押し上げる主な要因になろう。
ニッセイ基礎研+0.3%
(+1.4%)
3/10公表予定の25年10-12月期GDP2次速報では、実質GDPが前期比0.3%(前期比年率1.4%)となり、1次速報の前期比0.1%(前期比年率0.2%)から上方修正されると予想する。
第一生命経済研+0.3%
(+1.0%)
先行きについても、好調に推移する米国景気と実質所得の持ち直しという二つの要因が日本経済を下支えし、景気は緩やかな回復が続くと見込んでいる。一方、中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰がリスク要因として浮上している。事態が短期で収束に向かえば経済への影響は限定的にとどまるが、長期化すればエネルギー価格の上振れを通じて物価が押し上げられ、景気の下押し要因となり得る。物価鈍化を背景に実質賃金がプラス圏に浮上することが2026年度の景気を支えると予想されるだけに、エネルギー高が長引けば、景気回復シナリオにも暗雲が立ち込めることになる。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.3%
(+1.2%)
2026年3月10日に内閣府が公表する2025年10~12月期の実質GDP(2次速報値)は、前期比+0.3%(年率換算+1.2%)と、2月16日に公表された1次速報値の同+0.1%(同換算+0.2%)から上方修正される見込みである。GDP1次速報値公表後に追加された法人企業統計等の基礎統計の結果が、想定より上振れた。国内景気が、内需を中心に緩やかに回復していることを改めて確認できる結果となりそうだ。
伊藤忠総研+0.1%
(+0.6%)
今後はトランプ関税の行方が再び不確実性を高めているほか、中東情勢の悪化によるエネルギー価格高騰のリスクも高まっているが、製造業、非製造業とも大幅な人手不足状態にあるため、企業は来年度の春闘においても今年度並みの高い賃上げを実施、個人消費の拡大を後押ししよう。
明治安田総研+0.2%
(+0.8%)
先行きについて、アメリカ・イスラエルのイラン攻撃に伴う中東情勢の悪化は景気の下押しリスクとなる。原油供給が滞れば生産の重石となるほか、原油価格が上昇すればインフレ圧力は高まる。ただ、3月2日時点のWTI原油先物価格は72ドル台と上昇は限定的である。
この価格水準を前提とすると、物価上昇率は、食品価格の寄与低下や、ガソリン税の旧暫定税率廃止などの効果で鈍化が見込まれる。実質賃金はプラス圏に浮上し、個人消費は緩やかな回復傾向で推移すると予想する。また、設備投資は、日銀短観など各種調査でみられるとおり企業の計画は堅調である。良好な企業収益に加え、省力化投資の需要が安定的に見込まれることが下支え要因となり、底堅い推移が続くとみる。
一方、財輸出は米国の関税が引き続き下押し圧力となるほか、中国向けも振るわないことで停滞気味の推移が見込まれる。日中関係の悪化による訪日客の減少も2026年1-3月を中心に足枷となる可能性が高い。これらを踏まえると、2026年の日本景気は緩やかな回復傾向で推移するというのがメインシナリオである。
東京財団+0.28%
(+1.13%)
モデルは、2026年1-3月期のGDP(実質、季節調整系列前期比)を、0.83%と予測。※年率換算: 3.35%

すでに、2025年10~12月期は過去の数字と考えるべきなのかもしれませんが、私自身も直感的に法人企業統計を受けてGDP統計速報2次QEは先月公表の1次QEよりも上方修正されると考えています。ほぼほぼすべてのシンクタンクも同じく上方修正を見込んでいるようです。ただし、その程度は大きくなく、前期比年率で+1%前後と考えています。問題は足元の3月からの先行きです。米国とイスラエルによるイラン攻撃は、エコノミストには何とも想定し難く、日本経済に対する大きな影響は石油をはじめとするエネルギー価格の動向である点は衆目の一致するところです。ホルムズ海峡は封鎖されているらしいのですが、現時点では広く報じられているように、石油価格の指標となっているWTI先物でバレル70ドル台半ばですから、ムチャな価格ではないだろうという気はします。ただ、戦闘がいつまで継続し、ホルムズ海峡封鎖がいつまで続くのかは、私にはまったく不明ですし、当然の帰結として、平時でも不案内な石油価格動向は私にはまったく見通せません。
最後に、みずほリサーチ&テクノロジーズのリポートから 2025年10-12月期GDP(2次速報) のグラフを引用すると次の通りです。

photo

|

« 基調判断が引き上げられた2月の消費者態度指数 | トップページ | 市場予想を大きく下回った2月の米国雇用統計 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 基調判断が引き上げられた2月の消費者態度指数 | トップページ | 市場予想を大きく下回った2月の米国雇用統計 »