« 甲子園で開幕しヤクルトに快勝 | トップページ | ヤクルトに逆転負けで首位ならず »

2026年4月 8日 (水)

中東情勢によるマインド下押しで基調判断が下方修正された3月の景気ウォッチャーと黒字を続ける2月の経常収支

本日、内閣府から3月の景気ウォッチャーが、また、財務省から2月の経常収支が、それぞれ公表されています。統計のヘッドラインを見ると、景気ウォッチャーでは、季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から▲6.7ポイント低下の42.2となり、先行き判断DIも▲11.3ポイント低下の38.7を記録し、経常収支は、季節調整していない原系列の統計で+3兆9327億円の黒字を計上しています。まず、それぞれの統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから引用すると以下の通りです。

街角景気3月は6.7ポイント低下、中東情勢でマインド下押し 先行きも不透明感
内閣府が8日に発表した3月の景気ウオッチャー調査で現状判断DIは42.2となり、前月から6.7ポイント低下した。2カ月ぶりのマイナス。ウォッチャーの景気の見方は「中東情勢によるマインド面の下押しを背景に、このところ持ち直しの動きに弱さがみられる」とした。
指数を構成する3部門では、家計動向関連が前月から7.1ポイント低下して41.7、企業動向関連が6.8ポイント低下して43.1、雇用関連は4.5ポイント低下して43.1となった。
2-3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは、前月から11.3ポイント低下の38.7。2カ月連続でマイナス。内閣府は先行きについて「中東情勢による不透明感がみられる」とまとめた。
経常収支、2月は3兆9327億円の黒字 市場予想上回る黒字幅
財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、2月の経常収支は3兆9327億円の黒字となった。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は3兆5487億円程度の黒字で、公表された黒字幅は予想を上回った。
市場予想は上回ったが、前年同月比では黒字幅が縮小した。同省によると、貿易収支の黒字幅縮小が主因。中東情勢悪化に伴う要因は、2月時点で表れていないとみられる。
中東情勢の影響は3月後半以降、統計に反映される可能性も意識される。市場では「輸入価格が上昇する一方で、輸入量が減少するようだと日本経済への影響は免れない」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との声が出ている。
経常収支のうち、2月の貿易・サービス収支は168億円の赤字だった。貿易収支は2676億円の黒字で、黒字幅は前年同月から5423億円縮小した。
一方、海外投資の収益や配当金などの第1次所得収支は4兆2403億円の黒字だった。第2次所得収支は2908億円の赤字。

いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気ウォッチャーのグラフは上の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしており、色分けは凡例の通りです。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

photo

景気ウォッチャーの現状判断DIは、最近では昨年2025年10月統計の48.2まで6か月連続で上昇または横ばいを記録した後、今年2026年1月統計までジワジワと低下した後、2月統計で48.9、前月差+1.3ポイントと4か月ぶりに上昇したものの、本日公表の3月統計では前月から▲6.7ポイントと大きく低下して42.2となっています。米国とイスラエルによるイラン攻撃に起因する大幅なマインド低下と考えるべきです。一応、本日公表の昨年3月統計の季節調整済みの現状判断DIをより詳しく前月差で見ると、家計動向関連のうちでは、飲食関連が▲10.3ポイント前月から低下し、住宅関連も▲8.2ポイント、小売関連が▲6.9ポイント、サービス関連も▲6.5ポイント、軒並み大きく低下しています。企業動向関連では、製造業は先月2月統計から▲5.8ポイント低下した一方で、非製造業も▲7.4ポイント低下しています。家計も企業もすべて軒並み大きくマインドを悪化させています。したがって、統計作成官庁である内閣府では基調判断を先月の「持ち直している」から「中東情勢によるマインド面の下押しを背景に、このところ持ち直しの動きに弱さがみられる」に下方修正されています。経済政策だけではこのマインド悪化は手に余るような気がします。景気判断理由の概要については、記事で引用されているほかに、内閣府の調査結果の中から南関東地方の家計動向関連に着目すると、「中東情勢の影響によりガソリン価格が上がっているため、外出を控えているような気がする。当店はロードサイド店のため特に実感している。そうした状況から売上、来客数が減少している (一般レストラン)。」といった中東情勢に起因する悪化の見方もありました。

photo

続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。引用した記事の通り、ロイターによる市場の事前コンセンサスは+3.5兆円余りの黒字ということでしたし、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでも、同じように+3.5兆円余りの黒字の見込みでしたので、実績の+4兆円近い黒字はやや上振れした印象です。季節調整済み系列の統計では、+2.7兆円余りの黒字を計上しています。ただし、1-2月の経常収支は季節調整していない原系列の統計はもちろん、季節調整がなされていても、旧暦で決まる中華圏の春節の日取りによって大きく変化します。ですから、季節調整以外の方法でも均して統計を見る必要があります。他方で、何といっても、日本の経常収支は第1次所得収支が巨大な黒字を計上していますので、貿易・サービス収支が赤字であっても経常収支が赤字となることはほぼほぼ考えられません。はい。トランプ関税によって貿易収支や貿易・サービス収支の赤字が拡大したとしても、第1次所得収支で十分カバーできると考えるべきです。ただ、石油価格の動向については、米国とイスラエルのイラン攻撃からきわめて不透明といえます。2011年3月の東日本大震災から2015年いっぱいくらいまで貿易サービス収支が赤字を続けた期間もあります。いずれにせよ、対外不均衡の問題が経常収支にせよ、貿易・サービス収支にせよ、たとえ赤字であっても何ら悲観する必要はありません。エネルギーや資源に乏しい日本では消費や生産のために必要な輸入をためらうことなく、経常収支や貿易収支が赤字であっても何の問題もない、逆に、経常黒字が大きくても特段めでたいわけでもない、と私は考えています。

|

« 甲子園で開幕しヤクルトに快勝 | トップページ | ヤクルトに逆転負けで首位ならず »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 甲子園で開幕しヤクルトに快勝 | トップページ | ヤクルトに逆転負けで首位ならず »