« 西勇投手のナイスピッチングで首位攻防戦初戦に大勝 | トップページ | またまた桐敷投手が打ち込まれてヤクルトに逆転負け »

2026年5月13日 (水)

2か月連続で低下した4月の景気ウォッチャーと大きな黒字を計上した3月の経常収支

本日、内閣府から4月の景気ウォッチャーが、また、財務省から3月の経常収支が、それぞれ公表されています。統計のヘッドラインを見ると、景気ウォッチャーでは、季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から▲1.4ポイント低下の40.8となった一方で、先行き判断DIは+0.7ポイント上昇の39.4を記録しています。経常収支は、季節調整していない原系列の統計で過去最大の+4兆6815億円の黒字を計上しています。まず、それぞれの統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから引用すると以下の通りです。

街角景気4月は1.4ポイント低下、中東情勢でマインド下押し 先行きは小幅上昇
内閣府が13日に発表した4月の景気ウオッチャー調査で現状判断DIは40.8となり、前月から1.4ポイント低下した。2カ月連続のマイナス。ウオッチャーの景気の見方は「中東情勢によるマインド面の下押しを中心に、このところ持ち直しの動きに弱さがみられる」とした。
指数を構成する3部門では、家計動向関連が前月から1.2ポイント低下し40.5、企業動向関連が1.6ポイント低下し41.5、雇用関連は1.7ポイント低下し41.4となった。
2-3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは、前月から0.7ポイント上昇の39.4。3カ月ぶりのプラス。内閣府は先行きについて「中東情勢による不透明感がみられる」とまとめた。
経常黒字3月は4兆6815億円で過去最大、25年度年間も=財務省
財務省が13日に発表した国際収支状況速報によると、3月の経常収支は4兆6815億円の黒字だった。黒字幅は前年同月から1兆0562億円増えて過去最大。海外子会社からの配当受け取りなどの収入が伸長した。ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値は3兆5487億円程度の黒字だった。2025年度1年間の経常収支も最大の黒字幅で、34兆5218億円だった。
3月の内訳をみると、貿易・サービス収支は前年同月から12億円増え、5728億円の黒字だった。うち貿易収支は8305億円の黒字で、サービス収支の2578億円の赤字を相殺した。
2000年ごろから経常収支の稼ぎ頭になった「第1次所得収支」は、4兆6307億円の黒字だった。海外子会社からの配当受け取りなどの収入が増え、前年同月から7981億円増加した。第2次所得収支は5220億円の赤字だった。前年同月から赤字幅が2569億円縮小した。
同時に発表した25年度の経常収支は、34兆5218億円の黒字だった。前年度から4兆4902億円増加した。アジア向けに半導体など電子部品の輸出が伸び、貿易収支が黒字化した。貿易黒字は昨年度1兆3631憶円で、2020年度(3兆7853億円)以来5年度ぶりに黒字化した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気ウォッチャーのグラフは上の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしており、色分けは凡例の通りです。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

photo

景気ウォッチャーの現状判断DIは、最近では昨年2025年10月統計の48.2まで6か月連続で上昇または横ばいを記録した後、今年2026年1月統計までジワジワと低下した後、2月統計で48.9、前月差+1.3ポイントと4か月ぶりに上昇したものの、米国とイスラエルによるイラン攻撃に起因する大幅なマインド低下により、3月統計ではでは前月から▲6.7ポイントと大きく低下して42.2となった後、本日公表の4月統計でもさらに▲1.4ポイント低下し、40.8を記録しています。ただ、4月統計の先行き判断DIは前月から+0.7ポイント上昇しています。これは、3月統計が前月差▲11.3ポイントと、あまりにも大きく低下した反動と考えるべきであり、先行き判断が改善した、と見なすのはやや軽率に過ぎるのではないか、と私は受け止めています。一応、本日公表の4月統計の季節調整済みの現状判断DIをより詳しく前月差で見ると、家計動向関連のうちでは、住宅関連が▲7.0ポイント、飲食関連が▲3.8ポイント、サービス関連も▲1.6ポイント、小売関連が▲0.2ポイント、すべてのコンポーネントが軒並み低下しています。企業動向関連では、非製造業は先月3月統計から▲1.8ポイント低下した一方で、製造業も▲1.6ポイント低下しています。家計も企業もすべて軒並みマインドを悪化させています。家計動向関連のうちの住宅関連が特に大きな低下を見せているのは、中東情勢に起因するナフサ由来の資材不足が原因なのかもしれません。もしそうなら、例の「カルビーポテチのパッケージのモノクロ化」が大きく報道されていますので、さらに、住宅関連以外でも低下する可能性があります。統計作成官庁である内閣府では基調判断を2月統計から「中東情勢によるマインド面の下押しを背景に、このところ持ち直しの動きに弱さがみられる」に下方修正し、今月4月統計でも据え置かれています。経済政策だけではこのマインド悪化は手に余るような気がします。景気判断理由の概要については、記事で引用されているほかに、内閣府の調査結果の中から北陸地方の家計動向関連に着目すると、「石油関連の値上げが続いており、購買の心理的な負担になっている(衣料品専門店)。 」といった石油関連の見方もありました。

photo

続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。引用した記事の通り、ロイターによる市場の事前コンセンサスは+3.5兆円余りの黒字ということでしたし、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでも、同じように+4兆円近いの黒字の見込みでしたので、実績の+4.7兆円近い黒字はやや上振れした印象です。季節調整済み系列の統計でも、+3.9兆円余りの黒字を計上しています。ただし、1-2月の経常収支は季節調整していない原系列の統計はもちろん、季節調整がなされていても、旧暦で決まる中華圏の春節の日取りによって大きく変化します。ですから、季節調整以外の方法でも均して統計を見る必要があります。他方で、何といっても、日本の経常収支は第1次所得収支が巨大な黒字を計上していますので、貿易・サービス収支が赤字であっても経常収支が赤字となることはほぼほぼ考えられません。引用した記事の通りです。トランプ関税によって貿易収支や貿易・サービス収支の赤字が拡大したとしても、第1次所得収支で十分カバーできると考えるべきです。ただ、石油価格の動向については、米国とイスラエルのイラン攻撃からきわめて不透明といえます。2011年3月の東日本大震災から2015年いっぱいくらいまで貿易サービス収支が赤字を続けた期間もあります。いずれにせよ、対外不均衡の問題が経常収支にせよ、貿易・サービス収支にせよ、たとえ赤字であっても何ら悲観する必要はありません。エネルギーや資源に乏しい日本では消費や生産のために必要な輸入をためらうことなく、経常収支や貿易収支が赤字であっても何の問題もない、逆に、経常黒字が大きくても、日本の国際競争力が高いわけでもなく、ましてや特段めでたいわけでもない、と私は考えています。

|

« 西勇投手のナイスピッチングで首位攻防戦初戦に大勝 | トップページ | またまた桐敷投手が打ち込まれてヤクルトに逆転負け »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 西勇投手のナイスピッチングで首位攻防戦初戦に大勝 | トップページ | またまた桐敷投手が打ち込まれてヤクルトに逆転負け »