法人企業景気予測調査は中東の武力衝突で足元4-6月期に停滞
本日、財務省から4~6月期の法人企業景気予測調査が公表されています。ヘッドラインとなる大企業全産業の景況感判断指数(BSI)は足元の4~6月期は▲0.5、先行き7~9月期には+4.3、10~12月期には+4.5と、景況感は改善が続くと見込まれています。2月末に始まった米国とイスラエルによるイラン攻撃に伴う中東の武力衝突が企業マインドに影を落としつつも、先行きには楽観的な、見通しが示されています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。
大企業の4-6月景況感、4四半期ぶりマイナス 中東混迷響く
内閣府と財務省が11日発表した4~6月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス0.5だった。4四半期ぶりのマイナスとなった。中東混迷による原油高などが影響した。
調査時点は5月15日。指数は自社の景況が前の四半期より「上昇」と答えた企業の割合から「下降」の割合を引いて求める。前回1~3月期の大企業全産業はプラス4.4と3四半期連続のプラスだった。
4~6月期の大企業製造業はマイナス1.8と4四半期ぶりのマイナスとなった。1~3月期はプラス9.6だった自動車・同付属品製造業が今回はマイナス19.4だった。食料品製造業はマイナス7.4だった。ともに原材料や資材の価格上昇が響いた。
非製造業はプラス0.0で4四半期連続のプラスとなった。金融業・保険業は貸し出し金利や株価の上昇により収益が改善した。サービス業は欧米からの訪日客の宿泊需要が堅調だったほか、専門サービスなどコンサル需要の増加もプラスに寄与した。
大企業の先行きは全産業ベースで7~9月期はプラス4.3、10~12月期はプラス4.5と改善が続く見通しだ。
中堅企業の現状は全産業がマイナス3.9で4四半期ぶりのマイナスとなった。中小企業の全産業はマイナス17.6と低迷している。
財務省の担当者は「景気が緩やかに回復しているとの政府認識と齟齬(そご)がない。中東情勢など含め、今後の企業動向を注視していく」と語った。
かなり長くなりましたが、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、法人企業景気予測調査のうち大企業の景況判断BSIのグラフは下の通りです。重なって少し見にくいかもしれませんが、赤と水色の折れ線の色分けは凡例の通り、濃い赤のラインが実績で、水色のラインが先行き予測です。影をつけた部分は、景気後退期を示しています。

繰返しになりますが、統計のヘッドラインとなる大企業全産業の景況判断指数(BSI)は足元の4~6月期はわずかにマイナスを示したものの、先行きには好転すると見込まれています。したがって、企業部門の景況感は順調に改善を続けていると考えるべきです。ただ、繰返しになりますが、中東の武力衝突やその余波としての石油価格上昇には今後とも不透明感がつきまといますので、先行き企業マインドにどのような変化があったかは、現状では不明としかいいようがありません。過去の数字と見なすエコノミストも少なくないと私は想像しています。なお、日銀発表によれば、日銀短観の調査表発送日は5月28日、基準回収日は本日6月11日だそうですから、この法人企業景気予測調査の結果から日銀短観が大きく異なる可能性は少ないと私は考えています。
景況判断指数(BSI)以外の生産要素過不足に関するマインド、すなわち、雇用と設備投資を簡単に見ておきたいと思います。まず、雇用については、引き続き大きな「不足気味」超となっており、大企業よりも中小企業、さらに、中堅企業で「不足気味」超が大きくなっています。ただし、引き続き不足超の水準は高いものの、6月末の現状判断よりも先行きの9月末や12月末では徐々に不足超のDIが低下する傾向となっています。設備投資も雇用ほどではないにしても小幅な「不足気味」超で推移しており、大企業よりも中堅企業や中小企業の規模の小さな企業で「不足気味」超が大きくなっています。このため、今年度2026年度、ソフトウェアを含み土地を除くベースで設備投資計画は+8.2%増となっています。ただ、設備投資のスタンスとしては、大企業や中堅企業では「維持更新」がもっとも重要度が高くなっていて、わずかに、中小企業では「生産(販売)能力の拡大」がトップの重要度となっています。
はたして、6月調査の日銀短観やいかに?
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