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2026年8月19日 (水)

大きなプラスを記録した6月の機械受注

本日、内閣府から6月の機械受注が公表されています。民間設備投資の先行指標であり、変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月から+9.7%増の1兆558億円と、2か月ぶりの増加を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

機械受注4-6月0.2%増、3四半期連続プラス データセンター関連好調
内閣府が19日発表した機械受注統計によると、設備投資の先行指標とされる民需(船舶・電力除く、季節調整済み)は4~6月期に3兆1162億円と前期比で0.2%増えた。データセンター関連の需要が続き、3四半期連続のプラスとなった。
データセンター関連が含まれる通信業、人工知能(AI)や半導体需要にかかわる電気機械がプラスに寄与した。
非製造業は2.3%減った。農林漁業から農林用機械の受注が減った。電子計算機などの情報サービス業も11.8%減となり全体を押し下げた。
製造業は1.3%減だった。原子力原動機や金属加工機械を含む非鉄金属が2月に大型案件があった反動で減少したほか、化学工業や鉄鋼業の受注減が響いた。
民需は製造業と非製造業の合計だが、季節調整値を単純合算していないため、それぞれが減少しても民需全体が増加することがある。
6月単月は1兆558億円で前月比9.7%増となった。2カ月ぶりの増加だった。原子力原動機の大型案件があり、製造業が19.9%増と大きく伸びた。非製造業も不動産業や通信業が好調で4.5%増となった。
内閣府は5月が12.4%減だったことをふまえ、6月の基調判断は「持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。外需や官公需なども含めた全体の受注総額は0.4%増の4兆4390億円だった。比較可能な2005年以降で最も大きかった。
7~9月期の受注見通しについては6月末時点で前期比4.9%増となった。製造業が4.0%増、非製造業は5.9%増を見込む。内閣府の担当者は「半導体関連を中心に受注増が続く」とみている。

包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、機械受注のグラフは次の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

photo

引用した記事にはありませんが、ロイターの記事では「ロイターの事前予測調査では前月比7.8%増と予想されており、結果はこれを上回った。」とあります。いずれにせよ、実績の+9.7%増は、市場の事前コンセンサスをやや上回りましたが、引用した記事の最後から2パラ目にあるように、5月統計が▲12.4%減だったこともあり、その反動という含みもあります。ただし、上のグラフでも読み取れるように、移動平均で見たトレンドでは十分な増勢を示しているといえます。いずれにせよ、統計作成官庁である内閣府のプレスリリースでも、基調判断について「6月の増加は先月12.4%減少した後の単月の動き」と指摘した上で、基調判断は「持ち直しの動きがみられる」に据え置かれています。もう少し時間が経ってからの判断変更でもいい、と私も考えています。なお、業種別に前月比で見て、製造業が前月比+19.9%増、船舶・電力を除く非製造業も+4.5%増でした。なお、これも引用した記事で詳細に言及されていますが、季節調整済みの四半期データの前期比で見たコア機械受注は、昨年2025年10~12月期に+6.6%増、今年2026年に入って1~3月期に+6.4%増となった後、4~6月期は中東戦争の影響もあって+0.2%増と伸び悩んだものの、7~9月期の見通しは+4.9%増が見込まれています。引用した記事の最後のパラにあるように、半導体関連の受注増が見込まれているようです。
日銀短観などで示されたソフトデータの投資計画が着実な増加の方向を見込んでいる一方で、機械受注やGDPなどのハードデータで設備投資が増加していないという不整合があります。今週月曜日に公表になったGDP統計速報1次QEを見ると、民間設備投資は1~3月期に続いて、4~6月期も前期比マイナスを記録しています。人手不足は見込み得る範囲の近い将来にはまだ続くことが軽く予想されますし、DXやGXに向けた投資が盛り上がらないというのは、低迷する日本経済を象徴しているとはいえ、大きな懸念材料のひとつです。かつて、途上国では機械化が進まないのは人件費が安いからであるという議論が広く見受けられましたが、日本もそうなってしまう可能性が否定できません。設備投資の今後の伸びを期待したいところですが、先行きについては決して楽観はできません。特に、日銀が金利の追加引上げにご熱心で、何度か政策金利が引き上げられて今では1.0%に達し、市場の長期金利は3%に迫っています。9月にも追加利上げがあると予想する向きも少なくありません。為替への影響を別にしても、金利引上げは設備投資に悪影響を及ぼすことは頭に入れておくべきではないかと思います。

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