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2026年8月14日 (金)

プラス成長のコンセンサスの4-6月期GDP統計速報1次QE予想

先月末の鉱工業生産指数(IIP)や商業販売統計などの必要な統計がほぼ出そろって、来週8月17日に、4~6月期GDP統計速報1次QEが内閣府より公表される予定となっています。すでに、シンクタンクなどによる1次QE予想が出そろっています。ということで、いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下のテーブルの通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、GDP統計の期間である4~6月期ではなく、足元の7~9月期から先行きの景気動向を重視して拾おうとしています。先行きへの言及があるのは第一ライフ資産運用経済研究所と明治安田総研ぐらいであり、特にこの2機関は長々と引用してあります。いずれにせよ、1次情報にご興味ある向きは一番左の列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。ただし、最後の行の東京財団だけは、いわゆるナウキャスティングです。なお、"pdf" が何のことか分からない人はいないとは思うものの、まあ、諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研+0.4%
(+1.6%)
7~9月期の実質GDP成長率は、小幅ながらプラス圏で推移すると予想。旺盛なAI関連需要を受けて財輸出が増加すると見込まれるほか、政府が電気・ガス料金の負担軽減策を講じることで、物価高の影響が抑えられ、家計の消費は下支えされる見通し。ただし、制度変更による耐久財消費の伸び一巡や、サービス輸出の反動減などが成長の重石となる公算。
大和総研+0.7%
(+2.9%)
2026年7-9月期の実質GDP成長率は前期比でマイナスになると見込んでいる。個人消費と設備投資は増加するとみているが、輸出は中東向け輸出やインバウンドの抑制に加え、研究開発サービスの一時的な増加の反動減もあって減少するだろう。原油の代替調達による輸入の反動増も実質GDP成長率の押し下げ要因となる。
個人消費は増加すると予想する。帝国データバンク2によると、飲食料品の値上げ品目数は、26年7月は前年同月比+26.6%、8月は同+83.1%となっている。27.8%の品目で「中東情勢」が値上げ要因として挙げられており、中東情勢による原材料価格上昇は徐々に製品価格に転嫁されていくだろう。一方、日本労働組合総連合会(連合)が7月3日に公表した第7回(最終)回答集計結果3では、定期昇給相当込みの賃上げ率(加重平均)は3年連続の5%台となり、名目賃金の上昇は続くとみられる。加えて、電気・ガス料金の補助がエネルギー価格の上昇を一定程度抑制し、実質賃金を下支えしよう。
設備投資は増加すると予想する。日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(日銀短観)によると、6月調査時点での26年度の設備投資計画(全規模全産業、除く土地、含むソフトウェア・研究開発)は前年度比+8.8%と、前年の6月調査(同+8.7%)と同様に比較的高い伸びが示された。人手不足対応の省力化投資やデジタル投資などに支えられ、設備投資の増加基調は続くと見込む。
住宅投資は、建設資材と労務費上昇の影響を受けて、減少すると見込んでいる。公共投資は25年度補正予算に盛り込まれた公共事業の執行が下支えし、増加すると予想する。政府消費は、高齢化に伴う医療費や介護費の増加により増加すると見込んでいる。
輸出は減少すると予想する。米国・イランの両国首脳は6月17日に戦闘終結等に関する覚書に署名したが、その後も双方の攻撃は続いており、ホルムズ海峡の正常化は進んでいない。中東向け輸出の下押しは残り、財輸出は抑制されるだろう。中国政府による日本への渡航自粛要請が続く中、インバウンドも下押しされよう。加えて、研究開発サービスの一時的増加の反動減も輸出を押し下げるだろう。輸入は増加すると予想する。4-6月期は石油備蓄の放出で輸入の減少分を賄っていたものの、7・8月は前年平月比で約10割の代替調達の目途が立っており、財輸入は大きく増加するだろう。
リスク要因は中東情勢の悪化である。原油価格が更に高騰すれば、物価高を通じて個人消費を一段と下押しするだろう。中東情勢の悪化は事業環境の不確実性の高まりや原材料の価格高騰・供給不足に繋がり、設備投資にも影響する可能性がある。アジア諸国・地域は中東産原油への依存度が高く、アジア経済の下振れによる外需の減少7にも注意すべきだ。 また、7月28日に熊本県で発生したマグニチュード7.1(暫定値)の地震(令和8年熊本地震)により、熊本県では建物の倒壊や道路・橋の損壊といった被害が出ている。被害の全容は明らかになっていないが、当面は令和8年熊本地震による被災地域経済及び日本経済への影響を注視する必要がある。
みずほ銀行+0.7%
(+2.9%)
4~6月期の日本経済は高い成長になったと見込まれる。一方、7~9月期は押し上げ要因の一部が剥落するとみられ、反動で一時的にマイナス成長になると予想する。
個人消費では、4~6月期に生じた自動車やエアコンの「特需」が徐々に縮小するだろう。また、原油高を起点とする石油化学製品などの価格転嫁が進み、夏場以降にインフレ率が再加速するとみられることも、消費の伸びを抑制する要因になりそうだ。ただし、夏場の電気・ガス代支援実施がそうした影響を一部緩和し、均してみれば消費は減速するものの底堅く推移すると予想される。
外需では、AI・半導体関連を中心に財輸出が持ち直すとみられる一方、研究開発関連のサービス輸出で4~6月期の反動が現れ、輸出の押し下げ要因になると予測する。なお、輸入面では、代替調達の進展による原油輸入の増加が成長率に対してマイナスに働くが、国家備蓄原油の放出停止により公的在庫変動の寄与度がプラスに転換することで、影響が一部相殺されると考えられる。
また、7月28日に発生した令和8年熊本地震による経済への影響も懸念される。現時点で報じられている情報に基づけば、自動車部品の供給難から一部の自動車メーカーが工場の稼働を停止したほか、熊本周辺に集積する半導体工場で、生産設備への影響確認などにより一時的に操業が停止した。2024年1月に発生した令和6年能登半島地震の際も、自動車の出荷停止に伴う消費の減少や、事業計画の不透明感による設備投資の先送りが景気の下押し要因になった。今後、熊本地震による経済への影響を生産関連の指標などを通じて確認していく必要があろう。
ニッセイ基礎研+0.6%
(+2.4%)
先行きは食料品や日用品など幅広い品目で値上げの動きが広がり、消費者物価の上昇ペースが再加速することは避けられない。物価上昇に伴う実質購買力低下を背景に民間消費は伸びが鈍化するだろう。また、4-6月期は原油輸入量の減少が外需の押し上げ要因となったが、代替調達の進展などからすでに原油輸入量は持ち直しており、7-9月期は輸入の増加が成長率の押し下げ要因となる公算が大きい。現時点では、2026年7-9月期は民間消費の減速、外需の悪化などからほぼゼロ成長まで減速すると予想している。
第一ライフ資産運用経済研+0.4%
(+1.5%)
8月17日に公表される26年4-6月期の実質GDP成長率を前期比年率+1.5%(前期比+0.4%)と予測する。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.6%
(+2.4%)
2026年4~6月期の実質GDP(1次速報値)は、前期比+0.6%(前期比年率換算+2.4%)と、3四半期連続のプラス成長になったと見込まれる。
伊藤忠総研+0.7%
(+2.7%)
続く7~9月期は、中東情勢の影響による物価高圧力を政府の物価高対策が抑制し、実質賃金の増加を背景に消費は拡大基調を維持、投資も深刻な人手不足などを背景に増加しよう。一方、輸入の回復で純輸出がマイナス寄与に転じよう。前期が高めの成長になったこともあり、成長率は鈍化する見通しである。
明治安田総研+0.6%
(+2.4%)
中東情勢の緊迫化にもかかわらず、4-6月期の実質GDP成長率は高い伸びになったと見込む。米国とイランの戦闘はなお続いているが、原油に関しては代替ルートでの調達が進んでいることなどから、深刻な供給制約に陥る事態は回避できるとみており、現段階では7-9月期も小幅なプラスを予想している。
需要項目別では、個人消費は、電気・ガス料金補助再開による物価抑制効果などで、引き続き実質賃金がプラスで推移するとみており、回復傾向が続くと予想する。設備投資についても、省力化投資やAI関連投資の需要が安定的に見込まれることが下支え要因となり、底堅く推移するとみる。もっとも、7月28日に発生した熊本地震に伴う半導体関連や自動車の工場停止が長引けば、生産の下押し圧力になるほか、設備投資の先送りなどにつながる懸念は残る。輸出に関しては、欧米向けの持ち直しや、アジア向けを中心とする半導体関連製品の輸出が引き続き底堅く推移することで持ち直すと予想する。
農中総研+0.5%
(+2.2%)
4~6月期のGDPについて、実質成長率は前期比0.5%(同年率換算2.2%)と、3期連続のプラスと予想する。前年比も0.6%と8期連続のプラスが見込まれる。また、名目成長率も前期比0.8%(同年率3.4%)と9期連続のプラスとなるだろう。
東京財団+0.19%
(+0.75%)
2026年8月12日時点の予測結果
モデルは、2026年4-6月期のGDP(実質、季節調整系列前期比)を、0.20%と予測。※年率換算: 0.79%

まずは、緩やかながら、4~6月期のGDPは3四半期連続のプラス成長であろうというコンセンサスがあるようです。しかも、大雑把に潜在成長率を超える+2%近辺の成長率となりそうです。その要因のひとつは政府の物価抑制策による消費の増加、高水準の企業収益に基づく設備投資などです。純輸出=外需については、輸出は減少を見せている一方で、中東などからの石油輸入をはじめとして、輸入が輸出以上に減少していることから、これも内需と同様にプラス寄与を示すと考えられます。ただし、景気は米国と中東戦争次第という面が少なからずあって、少なくとも足元の7~9月期は前期よりも先行き成長率は減速する、という見方が多いと考えるべきです。上のテーブルの中でも、大和総研やみずほ銀行は現時点でははっきりと7~9月期がマイナス成長であると判断しているようですし、ニッセイ基礎研究所などでもゼロ成長と見ているようです。7~9月期もほぼほぼ半分を超えて、中東戦争は膠着状態で戦闘が激化しているわけでもなければ、全面的な停戦や解決に向かっているようにも見えません。日本経済はいくぶんなりとも米国経済の影響を受けるわけですが、米国ではインフレが沈静化に向かいつつあるとはいえ、連邦準備制度理事会(FED)が思い切った利下げに向かうとは思えない一方で、日銀はしつこいくらいに利上げの意向を発信しています。利上げは円レートだけに影響するわけではありませんから、設備投資などへの影響をどう考えるかはかなり軽く考えられているようで、私はやや恐怖を感じます。
最後に、下のグラフは、ニッセイ基礎研究所のリポートから引用しています。

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