実質賃金の上昇続く6月の毎月勤労統計
本日、厚生労働省から6月の毎月勤労統計が公表されています。統計のヘッドラインは、賃金指数について季節調整していない原系列で見て、名目の現金給与総額は531,677円と前年同月比+3.4%増となり、消費者物価上昇率を上回ったため実質賃金は前年同月比で+1.6%増と、6か月連続のプラスを記録しています。まず、統計の記事をロイターのサイトから引用すると以下の通りです。
6月実質賃金は前年比1.6%増、6カ月連続プラス=毎勤統計
厚生労働省が5日公表した6月の毎月勤労統計によると、名目賃金から物価変動の影響を除いた実質賃金は前年比1.6%増と、6カ月連続でプラスとなった。
ガソリン価格の反動増や電気・水道などの公共料金の上振れから消費者物価の伸び率が前月よりやや加速したものの、名目賃金がそれを上回って伸びた。
名目賃金にあたる現金給与総額は、53万1677円で前年比3.4%増加。5カ月連続で3%以上の伸びとなった。1991年-1992年以来のこと。そのうち、所定内給与は27万9189円で3.4%増だった。
消費者物価指数(2020年基準=100)を持家の帰属家賃を除く総合で実質化したものは前年同月比1.9%上昇で、総合指数で実質化したものは1.7%の伸びだった。
賞与などの特別に支払われた給与は3.5%増と前月の7.4%から伸びが鈍化した。所定外給与は2.8%増と人手不足を背景として人材投資などに支えられた。
続いて、毎月勤労統計のグラフは次の通りです。上のパネルは、名目及び実質の賃金指数の前年同月比の推移であり、下は季節調整済みの所定外労働時間指数です。いずれも影をつけた期間は景気後退期です。

まず、賃金については、6か月連続で前年同月比で実質賃金がプラス、6月統計では+1.6%増というのは、そもそも、現金給与総額が前年同月比で+3.4%増となった上に、帰属家賃を除く消費者物価上昇率が+1.9%にとどまったことに起因します。5月統計の確報では、現金給与総額が+3.3%増、実質賃金が+1.6%増でした。さらに、よりくわしく、賞与と3か月を超える通勤手当といった変動の大きな部分を除いた「きまって支給する給与」と「所定内給与」を見ると、名目の現金給与指数で見て、「きまって支給する給与」が4月+3.4%増、5月+3.0%増から、6月も+3.6%増であり、引用した記事にもあるように、現金給与総額とともに5か月連続で+3%以上の伸びを示しています。「所定内給与」も5月の3.0%増から6月は+3.4%増と、こちらも5か月連続で+3%以上の伸びとなっています。加えて、賞与と3か月を超える通勤手当の合計である「特別に支払われた給与」も6月は+3.5%増と増加しています。最近時点での消費者物価指数(CPI)の前年同月比で見たインフレ率が+2%を下回っていますので、賃金上昇がようやくインフレを上回る状態になった、あるいは、逆から見て、政策的に名目の賃金上昇率を下回るインフレに抑制されているということが出来ます。要するに、業績見合いのボーナスなど「特別に支払われた給与」もさることながら、経済学でいう恒常所得に近い概念の「きまって支給する給与」や「所定内給与」がようやくプラスになった、ということが出来ますので、この恒常所得の伸びは消費の増加につながることが期待されます。
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