« プラス成長とはいえ内容の悪い4-6月期GDP統計速報1次QE | トップページ | 9回土壇場の逆転サヨナラでヤクルトに勝利 »

2026年8月18日 (火)

中東戦争に起因するナフサ供給の現状やいかに?

カルビーポテチの包装などで注目されたナフサの供給、特に、中東戦争に起因するナフサ供給の現状について、国内最大の物流ニュースサイトを自任しているLOGISTICS TODAYから8月14日付けで「中東7割から1割へ、ナフサ供給網の半年」と題する記事が明らかにされています。編集長による署名記事です。まず、LOGISTICS TODAYのサイトから記事の最初のパラだけを引用すると次の通りです。

中東7割から1割へ、ナフサ供給網の半年
ホルムズ海峡の実質封鎖からまもなく半年。この間、国内のエチレン設備は減産を重ねたが、原料が尽きて止まる事態は避けられてきた。ただし、それを支える供給網は半年前と同じものではない。輸入ナフサに占める中東の比率は2024年時点の73.6%(石油化学工業協会の集計)から26年5月には1割前後へ下がり、船は片道1か月前後から50日をかけて太平洋と大西洋を回ってくる。危機の焦点は「止まるかどうか」から「どう作り替えるか」へ変わった。海峡から国内の倉庫まで、ナフサのサプライチェーンの現在地を通しで点検する。

続いて、LOGISTICS TODAYのサイトで示されているナフサ関係のテーブル3点のうち、最初の2枚、すなわち、ナフサ供給網、半年の変化 と ナフサ価格3系列の現在地 を雑に結合させると次の通りです。

photo

以下、私はこの方面にそれほど見識も情報もないので、LOGISTICS TODAYのサイトに基づくと、ホルムズ海峡の通過に関しては、「8月10日の通航は6隻、11日は8隻、13日も9隻にとどまり、危機前の1日130-140隻を大幅に下回る」と指摘しています。ホルムズ海峡ではなく、「地中海から日本へLR2型を喜望峰回りで送ると航海が19日延び、燃料費だけで60万ドルほど増える」とも言及しています。また、詳しくない私でも、ナフサは国産が4割ほどを占めていて、輸入は6割ほどに過ぎない点は知っていますが、それでも、ナフサ輸入のうち中東からの輸入が70%を超えてほぼ3/4に達しますが、最近時点では上のテーブルの3行目にある通り、中東からの輸入は1割程度まで減少を見せているようです。したがって、下のテーブルに見られるように、国産ナフサをはじめとしてナフサ価格が高騰して、上のテーブルに戻って、石油化学工業におけるエチレン稼働率は低下しています。

最後に、私が大学で初歩的な経済学を教えている時によく感じるのですが、経済学に関する専門知識がないと、今回のナフサ供給などに関して、いきなり量的な調整過程を思い浮かべる向きがあります。すなわち、「ナフサがなくなるとタイヘンだ」という反応です。これに近いのは食料自給率と食料輸入に関する見方で、自給率40%弱なら食料が輸入できないと半分以上の日本人が餓死するんではないか、という見方です。どちらもそんなことは起こらず、まず、量的に供給が減少すれば価格が上昇して節約が進む、という観点を見落としています。それがミクロ経済学のいう均衡の実現です。加えて、最後の最後に、とっても、天邪鬼な考えながら、ナフサは石油化学工業の原材料であり、要するに、プラスチック生産が減少するのは、ただ単にプラごみ減少の観点からは決して悪くありません。ただ、そういった産業で生産する財やサービスを需要する人々が確実にいるわけですし、そういった産業から所得を得ている人も忘れるべきではありません。

|

« プラス成長とはいえ内容の悪い4-6月期GDP統計速報1次QE | トップページ | 9回土壇場の逆転サヨナラでヤクルトに勝利 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« プラス成長とはいえ内容の悪い4-6月期GDP統計速報1次QE | トップページ | 9回土壇場の逆転サヨナラでヤクルトに勝利 »