SNSやスマホに時間を費やすと学力は伸びないのか?
はなはだ旧聞に属する話題ながら、先月7月16日、国立教育政策研究所から「令和8年度全国学力・学習状況調査」の報告書や調査結果資料が公表されています。さまざまな論点があるのでしょうが、ここではSNSやスマホの利用と学力に関して、いくつかグラフを引用して簡単に見ておきたいと思います。
まず、上のいくつかのグラフをまとめたパネルは、「令和8年度全国学力・学習状況調査の結果 (概要) のポイント」 p.5 学校外での過ごし方 を引用しています。見ての通りで、小学校でも中学校でも、平日1日当たりのスマートフォン等でのSNSや動画視聴時間が長いほど平均正答スコアが悪い、という結果が示されています。特に、小学校算数と中学校数学の差が大きく、「30分より少ない」グループは、「4時間以上」もグループと正答率で20%ポイントを超える差があるようです。SNSや動画を視聴していると勉強時間が削られるわけですから当然、と受け止める向きも少なくないものと私は考えますが、ここまで差が大きいとは想像していませんでした。
SNSや動画視聴時間の長さと成績スコアの逆相関は国際的にも認められている結果であり、例えば、経済開発協力機構(OECD)のリポート Growing up in the social media age でも示されています。上のグラフはOECDリポート p.19 Figure 5. For young people who use social media, mathematics performance tends to decline as time spent increases を引用しています。
ただ、国際比較で見て日本の児童・生徒のSNSの視聴時間はかなり短い、という点は強調しておきたいと思います。そのエビデンスが上のグラフであり、OECDリポート p.15 Figure 2. The average 15-year-old in the OECD spends 35 hours a week using social media を引用しています。日本の15歳はOECD加盟国の中でSNSに費やす時間がもっとも短くなっています。
最後に、成績スコアとSNSや動画の視聴時間は、あくまで負の相関関係であり、決して因果関係を示しているわけではありません。すなわち、SNSや動画を長時間見ているから成績スコアが低い、とは限らず、逆の因果関係が成り立っているのかもしれません。成績スコアが悪いから、SNSや動画に長時間費やしている、可能性は否定できません。
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