2018年6月17日 (日)

米朝首脳会談に関する海外論調やいかに?

世紀の米朝首脳会談が6月12日に開催されて、私も専門外ながらそれなりに注目していたんですが、いくつか海外論調を集めてみました。あくまで、自分自身の覚書のためながら、ご参考まで。

まったくのついでながら、Wall Street Journal のサイトが報じたG7サミットでのトランプ米国大統領の安倍総理に対する暴言は以下の通りです。報じられた記事の関連するパラだけ引用しています。

The U.S. president jarred some with blunt observations. At one point, Mr. Trump brought up migration as a big problem for Europe and then told Mr. Abe, "Shinzo, you don't have this problem, but I can send you 25 million Mexicans and you'll be out of office very soon," according to the senior EU official who was in the room. A sense of irritation with Mr. Trump could be felt, "but everyone tried to be rational and calm," the person said.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月14日 (木)

博報堂生活総研「家族30年変化」調査結果の第1弾夫婦の力関係の変化やいかに?

6月11日に博報堂生活総研から「家族30年変化」調査の結果として第1弾の夫婦の力関係の変化が明らかにされています。まあ、ブログのタイトルですから「いかに?」としてしまったんですが、リポートの副題は「妻は強く、夫は弱くなった30年」とされており、夫婦間の力関係はこの30年で明らかに夫から妻にシフトしています。わざわざ調査するまでもないという気もしますが、簡単に図表を引用しつつ取り上げておきたいと思います。

photo

上のグラフは、博報堂生活総研のリポートから、この30年間における 家庭の総合的な決定権 の推移をプロットしています。30年前の1988年は「主に夫」が72.4%で、「主に妻」が10.1%だったんですが、今年2018年には「主に夫」が38.7%に低下する一方で、「主に妻」が30.3%に上昇しています。ついでながら、グラフの引用は控えますが、年代別では「妻が30代以下」の夫婦で、今回2018年調査ではじめて「妻 > 夫」の逆転が生じ、「主に妻」が36.0%に対し、「主に夫」が33.3%を記録しています。ほかに、家庭の事柄の決定権として、妻が働きに出ることの決定権、親と同居することの決定権、子どもの名前の決定権、子どもを何人生むかの決定権、夫の友人・知人を家へ招くことの決定権、妻の友人・知人を家へ招くことの決定権がりぽーとされており、また、理想の夫婦像と現実の夫婦像のそれぞれについて、亭主関白/友達夫婦/カカア天下の構成比の30年間の推移、さらに、夫婦の依存意識などについての結果が報告されています。調査結果はとてもリアルで現実感あふれるものとなっていると感じるのは私だけではないような気がします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月13日 (水)

マクロミルによる「新社会人の意識調査 (2018年)」の結果やいかに?

毎年、新入社員の意識調査についてはいくつか参照しているんですが、マクロミルの「新社会人の意識調査 (2018年)」について、簡単に取り上げておきたいと思います。まず、マクロミルのサイトからTOPICSを5点引用すると以下の通りです。

TOPICS
  • 新社会人の59%が、"第1希望"に就職。過去11年間で最高
  • 就職先へのイメージ、入社前と「ギャップがあった」44%。ギャップの内容で最多が「残業が多い」
  • 3割超が、"就職先がブラック企業ではないか"と感じたこと「あり」
  • 管理職以上の役職志望率、新社会人全体では62%。男性は79%、女性は45%
  • 理想の職場を各ランキングの1位から再現! 社長「内村光良」、上司・先輩「城島茂」、同期「大谷翔平」、後輩「神木隆之介」
photo

いくつかマクロミルのサイトから図表を引用すると、上の折れ線グラフは 第1希望への就職率 をプロットしています。一昨年2016年の50.5%や昨年2017年の50.0%から、今年2018年は58.5%に大きくジャンプしています。リーマン・ショック直前の2008年よりも高い水準です。ここ何年か就活は人手不足の売り手市場といわれてきましたが、特に今年2018年は第1志望への就職率にそれが現れているようです。

photo

次に、マクロミルのサイトから 就職先に対する、入社前のイメージとギャップ内容 上位5位 を引用すると上のグラフの通りです。「残業が多い」で28.7%、次いで、「仕事がつまらない」と「給与が少ない」がともに25.3%、「有給休暇が取得しづらい」20.7%、「研修内容が不十分」19.5%と続いています。

photo

次に、マクロミルのサイトから 勤め先が「ブラック企業ではないか」と感じた経験の有無 のグラフを引用すると上の通りです。最近2年間、すなわち、2017-18年で社会的関心の高まりとともに30%を超えるようになっています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月12日 (火)

堅調な企業マインドを反映する法人企業景気予測調査と石油価格につられて上昇幅を拡大した企業物価!

本日、財務省から4~6月期の法人企業景気予測調査が、また、日銀から5月の企業物価 (PPI) が、それぞれ公表されています。法人企業景気予測調査のヘッドラインとなる大企業全産業の景況感判断指数(BSI)は1~3月期の+3.3の後、4~6月期には▲2.0とマイナスを記録していますが、先行きについては、7~9月期は+6.9に、また、10~12月期は+7.9と、それぞれプラスに戻ってそのプラス幅を拡大すると見通されており、他方、企業物価(PPI)のヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+2.7%でした。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4-6月の大企業景況感、マイナス2.0 7-9月はプラス6.9
財務省と内閣府が12日発表した法人企業景気予測調査によると、4~6月期の大企業全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス2.0だった。マイナスは4四半期ぶり。前回調査の1~3月期はプラス3.3だった。
先行き7~9月期の見通しはプラス6.9となった。4~6月期は大企業のうち、製造業がマイナス3.2で、非製造業はマイナス1.4だった。中小企業の全産業はマイナス10.6だった。
2018年度の設備投資見通しは前年度比5.4%増だった。設備投資見通しは前回調査では6.5%減となっていた。
景況判断指数は「上昇」と答えた企業と「下降」と答えた企業の割合の差から算出する。
5月の企業物価指数、前年比2.7%上昇 原油高が押し上げ
日銀が12日発表した5月の国内企業物価指数(2015年=100)は101.1で前年同月比2.7%上昇した。前年実績を上回るのは17カ月連続。上昇率は4月の確報値(2.1%上昇)から拡大し、1月以来の高水準だった。原油価格の上昇を背景に石油・石炭製品が値上がりし、全体を押し上げた。前月比では0.6%上昇した。
原油高で電力・都市ガス・水道のほか、化学製品の価格も上昇した。アルミニウム価格の上昇でアルミニウム合金など非鉄金属の価格も上昇した。
円ベースの輸出物価は前年同月比で2.4%上昇した。前月比では1.1%上昇した。輸入物価は前年同月比で6.5%上昇した。前月比では2.7%上昇した。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの物価動向を示す。公表している744品目のうち前年比で上昇したのは401品目、下落したのは254品目だった。上昇品目と下落品目の差は147と4月(確報値)の124品目から増えた。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、法人企業景気予測調査のうち大企業の景況判断BSIのグラフは以下の通りです。重なって少し見にくいかもしれませんが、赤と水色の折れ線の色分けは凡例の通り、濃い赤のラインが実績で、水色のラインが先行き予測です。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo

まず、繰り返しになりますが、統計のヘッドラインとなる景況判断BSIについては、4~6月期には▲2.0とマイナスを記録しました。前回調査から4~6月期にはプラス幅を大きく縮小させる元の予想されていましたし、先行きについては、7~9月期は+6.9に、また、10~12月期は+7.9と、それぞれプラスに戻ってそのプラス幅を拡大すると見通されているわけですので、ハードデータ的に1~3月期の景気が冴えなかったのがマインドのソフトデータに反映されたのではないかと私は受け止めています。その他のマインドデータで興味あるところは、まず、6月末の時点における雇用に関しては不足超が大企業で18.8%、中堅企業が33.1%、中小企業が29.5%となっており、製造業と非製造業の差は大きくありませんが、規模別には中堅・中小企業が大企業に比べて採用に苦労しているのが読み取れます。また、設備投資計画については、全規模全産業でソフトウェアを含み土地を除くベースで、前回調査では今年2018年度は▲6.5%減と見込まれていたところ、今回調査では投資計画が固まって来たのか、+5.4%増に大きく上方修正されています。ほとんどが製造業のプラスで、非製造業は昨年並みという計画となっています。7月に入れば6月調査の日銀短観が明らかになりますが、引き続き、年度後半にかけて企業マインドは堅調と考えてよさそうです。

photo

続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。ということで、PPIのヘッドラインとなる国内物価は前年同月比上昇率で見て、4月確報の+2.1%から5月速報では+2.7%と上昇幅を拡大しています。3月4月と国内物価上昇率は+2.1%が続き、基本的に、為替が円高に振れた影響と私は考えていたんですが、5月については逆に円安の進行と国際商品市況における石油価格上昇の影響が大きいと考えるべきです。季節調整していない前月比上昇率で見ても、国内物価のうち上昇幅が大きいのは、ガソリンなどの石油・石炭製品+0.28%、電力・都市ガス・水道とキシレンなどの化学製品の+0.10%となっています。また、国内物価以外でも石油価格の影響の強い輸入物価上昇率は円ベースの前年同月比で見て、3月+1.7%、4月+5.0%のぞれぞれ上昇から、5月には+6.5%までプラス幅を拡大しています。もっとも、円安も石油価格上昇も足元では5月中下旬には反転の兆しを見せており、金融政策動向よりもよっぽど物価への影響力の強い石油価格の動向には目が離せません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月11日 (月)

大きく増加した4月の機械受注をどう見るか?

本日、内閣府から4月の機械受注が公表されています。変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの系列で見て前月比+10.1%増の9431億円を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の機械受注10.1%増、9年10カ月ぶり高水準 基調判断は上方修正
内閣府が11日発表した4月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶、電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比10.1%増の9431億円だった。製造業の受注が大きく増え、リーマン・ショック前の2008年6月以来の高水準となった。
内閣府は基調判断を「持ち直している」に上方修正した。上方修正は17年8月以来。
4月の受注額は、製造業が22.7%増の4479億円だった。17業種のうち、13業種が増加した。前月の大幅減の反動に加え、内燃機関の受注などがあった造船業が大きく増えた。クレーンや金属加工機械の受注が増え、「はん用・生産用機械」は分類が始まった11年4月以来で過去最高となった。「自動車・同付属品」も08年3月以来の高水準だった。
非製造業は0.4%増の4778億円だった。電力業や情報サービス業が増加した半面、3月に受注が増えた反動で、「運輸業・郵便業」や「建設業」は減った。
前年同月比での「船舶、電力を除く民需」の受注額(原数値)は9.6%増だった。
4~6月期の「船舶、電力を除く民需」の季節調整値の見通しは前期比7.1%増となっている。

いつものグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo

繰り返しになりますが、コア機械受注が前月比+10.1%増の9431億円でしたので、上のグラフを見ても6か月後方移動平均のトレンドが上向いているようにも見受けられますし、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」に半ノッチ引き上げています。受注額としては、引用した記事にもある通り、リーマン・ショック前の2008年6月以来の高水準を記録しています。先月の統計公表時に4~6月期の見通しは前期比+7.1%の増加だったんですが、4月のコア機械受注の受注額水準は1~3月期を+8.0%上回っていますから、かなり高い受注水準であることは明らかでし、そもそも、1~3月期のコア機械受注は前期比で+3.3%増でしたので、4~6月期も続けて前期比での増加になる可能性は高いと私は受け止めています。基本的には、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、人手不足が非製造業を中心に広範に観察され、省力化投資需要は引き続き機械受注を押し上げる方向にあり、製造業も能力増強投資はともかく、設備投資をかなり抑えてきた期間が長くなり、更新投資の需要も見込めることから、こういった設備投資需要を背景に機械受注は、足元から目先、緩やかな増加基調を続けると私は期待しています。ただし、今週末のG7でも明らかになったように、米国の通商政策がかなり保護主義に傾く可能性があり、少し長い目で見ると米国通商政策リスクは無視できないと考えるべきです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月 8日 (金)

1-3月期GDP統計2次QEは1次QEからほぼ修正なし!

本日、内閣府から今年2018年1~3月期のGDP統計2次QEが公表されています。季節調整済みの前期比成長率は▲0.2%、年率では▲0.6%と、9四半期振りのマイナス成長でした。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1-3月期のGDP改定値、年率0.6%減 個人消費が低調
内閣府が8日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動を除いた実質で前期比0.2%減、年率換算で0.6%減だった。速報値(前期比0.2%減、年率0.6%減)と同じだった。民間企業の設備投資が上振れた半面、個人消費が下方修正された。
マイナス成長となるのは9四半期ぶり。物価変動の影響を加味し、生活実感に近い名目GDPは前期比0.4%減(速報値は0.4%減)、年率は1.6%減(同1.5%減)だった。
設備投資は実質で前期比0.3%増と、速報段階の0.1%減から上振れした。半導体や半導体製造装置用部品の増産投資が活発だったうえ、オフィスビルや商業施設といった非製造業の投資も増え、金融機関・非金融法人のいずれも速報段階の想定から増加した。財務省の法人企業統計での実績値を反映した。
民間在庫は速報値ではGDPを0.1ポイント押し下げていたが、改定値では0.2ポイントの押し下げとなった。原材料在庫が減ったため。
このほか実質GDPの項目別をみると、個人消費は前期比0.1%減と速報段階(0.0%減)から下方修正された。公共投資(0.1%減)も下方修正された半面、住宅投資(1.8%減)は上方修正された。
実質GDPの増減への寄与度をみると、内需はマイナス0.2ポイント、輸出から輸入を差し引いた外需はプラス0.1ポイントといずれも速報値と変わらなかった。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは、前年同期比プラス0.5%(速報値はプラス0.5%)だった。
同時に発表した2017年度のGDP改定値は、実質で前年比1.6%増(速報値は1.5%増)だった。名目では同1.7%増(同1.6%増)だった。
1~3月期のGDP改定値の発表を受け、茂木敏充経済財政・再生相は8日の閣議後の記者会見で「景気は緩やかに回復しているとの見方に変わりはない」と述べた。

ということで、いつもの通り、とても適確にいろんなことが取りまとめられた記事なんですが、次に、GDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者報酬を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは実質ではなく名目ですし、GDPデフレータと内需デフレータだけは季節調整済み系列の前期比ではなく、伝統に従って季節調整していない原系列の前年同期比となっています。また、項目にアスタリスクを付して、数字がカッコに入っている民間在庫と内需寄与度・外需寄与度は前期比成長率に対する寄与度表示となっています。もちろん、計数には正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で最初にお示しした内閣府のリンク先からお願いします。

需要項目2017/1-32017/4-62017/7-92017/10-122018/1-3
1次QE2次QE
国内総生産 (GDP)+0.7+0.5+0.5+0.3▲0.2▲0.2
民間消費+0.6+0.7▲0.7+0.3▲0.0▲0.1
民間住宅+1.1+0.9▲1.6▲2.7▲2.1▲1.8
民間設備+0.4+0.9+1.0+0.7▲0.1+0.3
民間在庫 *(+0.1)(▲0.1)(+0.4)(+0.2)(▲0.1)(▲0.2)
公的需要+0.3+1.3▲0.5▲0.0+0.0+0.0
内需寄与度 *(+0.6)(+0.8)(▲0.0)(+0.4)(▲0.2)(▲0.2)
外需寄与度 *(+0.1)(▲0.3)(+0.5)(▲0.1)(+0.1)(+0.1)
輸出+2.1▲0.1+2.0+2.2+0.6+0.6
輸入+1.6+1.8▲1.3+3.1+0.3+0.3
国内総所得 (GDI)+0.1+0.7+0.6▲0.1▲0.5▲0.5
国民総所得 (GNI)+0.5+0.7+0.7▲0.1▲0.7▲0.6
名目GDP+0.1+0.9+0.8+0.2▲0.4▲0.4
雇用者報酬▲0.1+1.1+0.5▲0.2+0.7+0.7
GDPデフレータ▲0.8▲0.3+0.1+0.1+0.5+0.5
内需デフレータ+0.0+0.4+0.5+0.6+0.9+0.9

上のテーブルに加えて、いつもの需要項目別の寄与度を示したグラフは以下の通りです。青い折れ線でプロットした季節調整済みの前期比成長率に対して積上げ棒グラフが需要項目別の寄与を示しており、左軸の単位はパーセントです。グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された2018年1~3月期の最新データでは、前期比成長率が9四半期振りのマイナスを示し、黒の外需(純輸出)と水色の設備投資がプラスの寄与を記録している一方で、灰色の在庫がマイナス寄与となっているのが見て取れます。

photo

まず、2次QEですし、1次QEから大きな変更はなかったわけですから、少なくともポジティブもネガティブもサプライズはありませんでした。要するに、9四半期振りのマイナス成長という事実は変わりなかったわけですが、中身も大きな変更はないものの、大雑把にいえば、1次QEから2次QEへの修正は、設備投資が上振れして、在庫投資が下振れして、両者でキャンセルアウトした、ということですので、仕上がりの数字に変更ない一方で、中身はむしろよくなった、と私は受け止めています。すなわち、設備投資は2016年7~9月期を直近のボトムとして6四半期連続でプラスのの伸びを示しており、人手不足に伴う省力化投資や更新投資などの最近のエピソードとも整合的です。同時に、在庫投資のマイナスは成長率に対してこそマイナス寄与ですが、在庫調整の進展により先行きの健全な成長を準備しているともいえます。加えて、月曜日の2次QE予想でも明記しましたが、1~3月期の一時的な停滞を脱して、足元の4~6月期から緩やかながら景気回復軌道に回帰することが見込まれていますので、このマイナス成長を悲観する必要はないものと私は受け止めています。その昔に少し流行った表現をすれば、「過去の数字」ということになるかもしれません。ただし、昨年2017年10~12月期の2次QEを取り上げた際に指摘した通り、設備投資という企業部門が好調を維持している一方で、消費や住宅投資といった家計部門の停滞が明らかとなっており、好景気の果実が企業部門に独占されて家計部門に及んでいないのが実感なき成長の大きな原因であると私は考えています。

photo

最後に、本日、内閣府から5月の景気ウォッチャーが、また、財務省から4月の経常収支が、それぞれ公表されています。景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から▲1.9ポイント低下して47.1を、先行き判断DIも▲0.9ポイント低下して49.2を、それぞれ記録し、また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+1兆8451億円の黒字を計上しています。いつものグラフだけ、上の通り示しておきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月 7日 (木)

4月の景気動向指数で景気拡大は65か月に達したか?

本日、内閣府から4月の景気動向指数が公表されています。CI先行指数は前月比+1.1ポイント上昇して105.6を、CI一致指数は+1.7ポイント上昇して117.7を、それぞれ記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

景気一致指数1.7ポイント改善 4月、自動車が好調
内閣府が7日発表した4月の景気動向指数(CI、2010年=100、速報値)は景気の現状を示す一致指数が117.7と前月比で1.7ポイント上昇した。上昇は3カ月連続で、14年9月(1.8)以来、3年7カ月ぶりの上昇幅となった。自動車の生産や出荷が好調だった。基調判断は「改善を示している」で据え置いた。
CIを構成する指標で前月と比較可能な7項目のうち6項目がプラス方向に寄与した。寄与度が高かったのが耐久消費財出荷で、軽自動車や小型自動車が国内向けに増えた。鉱工業生産も自動車など輸送用機械が国内外向けに好調だった。
数カ月先の情勢を示す先行指数は1.1ポイント上昇し105.6だった。2カ月ぶりに前月を上回った。自動車を中心に出荷が増えたことを背景に、最終需要財在庫率指数など企業の在庫を示す指標がプラスに寄与した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

photo

明日公表予定の1~3月期GDP統計2次QEもそうなんですが、今年2018年1~3月期は日本経済がやや踊り場的な軽い停滞局面にあった一方で、天候条件などの経済外要因も含めて、4月からはいろんな経済指標がかなり上向いて、景気が回復基調に戻ったことが実感されているんですが、CI一致指数でも統計的にその点が確認されたと私は受け止めています。引用した記事にもある通り、6系列がプラスを示しているんですが、特に、プラスの寄与度の大きい順に耐久消費財出荷額指数、投資財出荷指数(除輸送機械)、商業販売学(卸売業)(前年号月比)などが+0.3を超える寄与を示しています。これも引用した記事にある通り、3年7か月ぶりの上昇幅だそうです。当然ながら、統計作成官庁である内閣府の基調判断は「改善」で据え置かれています。基調判断の「改善」も19か月連続だそうです。どうでもいいことかもしれませんが、4月まで景気拡大が続いているとすれば、2012年11月を谷とする現在の景気拡大は65か月に達したことになります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月 6日 (水)

パートタイムから一般労働者へのシフトを反映する毎月勤労統計!

本日、厚生労働省から4月の毎月勤労統計が公表されています。名目賃金は季節調整していない原数値の前年同月比で+0.8%増の27万7272円を示していますが、物価上昇を差し引いた実質賃金は前年同月比で保合いとなりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の名目賃金、前年比0.8%増 増加は9カ月連続 毎月勤労統計
厚生労働省が6日発表した4月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、4月の名目賃金にあたる1人あたりの現金給与総額は前年同月比0.8%増の27万7272円だった。増加は9カ月連続。
内訳をみると、基本給にあたる所定内給与が1.2%増。残業代など所定外給与は1.9%増。ボーナスなど特別に支払われた給与は9.8%減だった。物価変動の影響を除いた実質賃金は横ばい。名目賃金は増加したものの、消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が上昇したため実質的な賃金は変わらなかった。
パートタイム労働者の時間あたり給与は1.4%増の1121円。パートタイム労働者比率は0.37ポイント低い29.95%だった。厚労省は賃金動向について「基調としては緩やかに増加している」との判断を据え置いた。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、毎月勤労統計のグラフは以下の通りです。上から順に、1番上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、次の2番目のパネルは調査産業計の賃金、すなわち、現金給与総額ときまって支給する給与のそれぞれの季節調整していない原系列の前年同月比を、3番目のパネルはこれらの季節調整済み指数をそのまま、そして、1番下のパネルはいわゆるフルタイムの一般労働者とパートタイム労働者の就業形態別の原系列の雇用の前年同月比の伸び率の推移を、それぞれプロットしています。いずれも、影をつけた期間は景気後退期です。

photo

上のグラフのうちでも、一番上のパネルの所定外労働時間は4月統計については鉱工業生産の動向とは必ずしも整合的ではなく、やや謎です。しかしながら、引用した記事にもあるように、毎月勤労統計で注目すべきは、最近では、賃金なわけですが、季節調整していない原系列の統計の賃金指数で3月に実質賃金が前年同月比で+0.7%増と昨年2017年11月以来の上昇を見せた後、最新の4月統計では前年から保合いとなりました。実質賃金は現金給与総額指数を帰属家賃を除く消費者物価(CPI)でデフレートしていますが、今年2018年1月に前年同月比で▲0.6%減、2月にも▲0.8%減を記録したのは、1~3月期の1次QEで消費がわずかとかいえマイナスをつけた要因のひとつと考えるべきです。ただ、生活実感に近い名目賃金は昨年2017年7月を唯一の例外として、一昨年2016年年央6月以来かなり長くに渡って前年比プラスを続けているのは事実ですし、日本経済がデフレを脱して物価が上昇し始め、それにつれて賃金も増加を始めることにより、いわゆる経済の好循環の中で解決されるんだと私は認識しているんですが、いかんせん、ものすごく長いタイムラグを持っているようで、なかなかそういった経済の好循環が目に見える形で明らかにならない恨みはあります。ただ、従来からこのブログで主張している通り、非正規雇用から正規雇用への流れが生じ始めている点が、最近の毎月勤労統計で得られたとすれば、2月以降の速報段階で、パートタイム労働者比率が前年同月との差で▲0.30ポイント以上のかつてない大きさで低下していることです。もっとも、確報段階で小幅のプラスに修正されるのでほとんど意味はないんですが、それ以前は速報段階からプラスでしたので、やや雰囲気は変わりつつあるような気もしますし、何といっても、非正規雇用から正規雇用へのシフトは給与水準の上昇とともに安定ももたらし、消費の増加に大きく寄与することは明らかです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月 4日 (月)

下方改定か、上方改定か、2次QE予想やいかに?

先週木曜日6月1日の法人企業統計をはじめとして、ほぼ必要な統計が出そろい、今週金曜日の6月8日に昨年2018年1~3月期GDP速報2次QEが内閣府より公表される予定となっています。すでに、シンクタンクなどによる2次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、足元の4~6月期から2018年の景気動向を重視して拾おうとしています。しかしながら、何分、2次QEですので、法人企業統計のオマケの扱いだったりして、明示的に先行き経済を取り上げているシンクタンクはみずほ総研と伊藤忠経済研だけでした。この2機関のリポートだけは長めに引用しています。他機関のリポートについてもより詳細な情報にご興味ある向きは一番左列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
内閣府1次QE▲0.2%
(▲0.6%)
n.a.
日本総研▲0.2%
(▲0.7%)
1~3月期の実質GDP(2次QE)は、設備投資は上方修正となる一方、公共投資、在庫変動は下方修正となる見込み。その結果、成長率は前期比年率▲0.7%(前期比▲0.2%)と1次QE(前期比年率▲0.6%、前期比▲0.2%)から小幅下方修正される見込み。
大和総研▲0.1%
(▲0.3%)
1-3月期GDP二次速報(6月8日公表予定)では、実質GDP 成長率が前期比年率▲0.3%(一次速報: 同▲0.6%)と、一次速報から僅かに上方修正されると予想する。基礎統計の直近値の反映により公共投資がマイナスに転じる一方、需要側統計の法人企業統計の結果を受けて、設備投資は上方修正されて前期比横ばいになる見込みだ。
みずほ総研▲0.2%
(▲0.7%)
発表された4月の各種経済指標をみると、4~6月期の景気は緩やかな回復基調に復する期待が高まる結果となった。実質小売販売(モズ保総研による試算値)は、生鮮食品価格の高騰一服などにより大きく増加した。失業率や有効求人倍率などの雇用関連指標も総じて良好な状態を維持しており、個人消費は今後、回復に向かう可能性が高い。外需をみると、4月の輸出数量指数は自動車を中心に4カ月ぶりの上昇に転じた。世界経済が回復傾向を辿る中で、輸出も堅調さを取り戻すだろう。
ニッセイ基礎研+0.1%
(+0.2%)
6/8公表予定の18年1-3月期GDP2次速報では、実質GDPが前期比0.1%(前期比年率0.2%)となり、1次速報の前期比▲0.2%(前期比年率▲0.6%)から上方修正されると予測する。設備投資、民間在庫変動、民間消費、公的固定資本形成がいずれも上方修正されるだろう。
第一生命経済研▲0.0%
(▲0.1%)
6月8日に内閣府から公表される2018年1-3月期実質GDP(2次速報)を前期比年率▲0.1%(前期比▲0.0%)と予想する。設備投資の上方修正を主因として、GDP成長率は1次速報の前期比年率▲0.6%から上方修正されるだろう。
伊藤忠経済研▲0.0%
(▲0.1%)
この修正の通り上方修正されたとしても、1~3月期のGDPは概ね横ばいにとどまり、景気が2018年に入り一旦踊り場を迎えたという判断は変わらない。そのため、潜在成長率とされる年率+1.1%程度をも当然に下回り、日本経済はデフレ脱却に向けて足踏みしたことになる。
そして、3月以降は輸出や個人消費の関連指標が改善し、設備投資も先行指標が拡大の継続を示唆していることから、景気は再び拡大に向かい、足元ではデフレ脱却に向けた歩みを再開しているという判断を変える必要もないだろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.1%
(▲0.4%)
6月8日に内閣府から公表される2018年1~3月期の実質GDP成長率(2次速報値)は、前期比▲0.1%(年率換算▲0.4%)と1次速報値の同▲0.2%(同▲0.6%)からわずかに上方修正されるが、マイナス成長自体に変更はない見込みである。景気回復が続く中においても、一時的にスピード調整の動きが入ったことが改めて示されるであろう。
三菱総研+0.0%
(+0.1%)
2018年1-3月期の実質GDP成長率は、季調済前期比+0.0%(年率+0.1%)と、1次速報値(同▲0.2%(年率▲0.6%))から上方修正を予測する。

私自身はエコノミストとして、法人企業統計その他の情報から、1~3月期2次QEは上方改定されると考えています。しかし、プラス成長にまで達するくらいの上方改定か、それとも、マイナス成長のままの上方改定かについては自信がありません。直観的にも判りません。また、上のテーブルを見ても、シンクタンクの間でも見方は分かれているようです。ただ、1次QEから改定幅は大きくなく、ほぼ横ばいのゼロ成長であろう、という点についてはエコノミストの間でも緩やかなコンセンサスがありそうです。なお、もしもマイナス成長であれば、2015年10~12月期以来となり、9四半期ぶりです。8四半期、丸々2年間もプラス成長が継続し、みずほ総研や伊藤忠経済研の見方のように、4~6月期の景気は緩やかな回復基調に復する期待が大きいとすれば、やっぱり、日本経済は決して悪くないと考えるべきです。
最後に、下のグラフはみずほ総研のリポートから引用しています。

photo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月 2日 (土)

市場予想を上回る堅調な米国雇用統計は追加利上げを確定か?

日本時間の昨夜、米国労働省から5月の米国雇用統計が公表されています。非農業雇用者数は前月統計から+223千人増と、市場の事前コンセンサスだった+190千人の増加という予想を上回り、失業率も前月からさらに0.1%ポイント低下して3.8%という低い水準を続けています。いずれも季節調整済みの系列です。まず、USA Today のサイトから記事を最初の7パラだけ引用すると以下の通りです。

Unemployment rate falls to 3.8% as employers add 223,000 jobs in May
U.S. hiring rebounded in May after two months of lackluster gains as employers added 223,00 jobs and the labor market continued to defy widespread worker shortages and global economic troubles.
The unemployment rate fell from 3.9% to 3.8%, a new 18-year low, the Labor Department said Friday.
Economists surveyed by Bloomberg expected 190,000 job gains.
President Trump suggested the report would be strong early this morning. At 7:21 a.m., he tweeted, "Looking forward to seeing the employment numbers at 8:30 this morning." Normally a president doesn't foreshadow the totals so as not to affect financial markets.
Snowstorms and cold weather curtailed job growth in both March and April, according to Goldman Sachs. Milder temperatures were expected to bolster hiring in May.
Economists said another tepid showing could indicate that the low unemployment rate is making it even harder for employers to find workers. Also, political turmoil in Italy has roiled markets and is likely to modestly dampen economic growth in the euro area, according to Nomura. Economists thought manufacturers that depend on overseas sales could pull back on hiring in response to both the weakness abroad and U.S. trade fights with other nations.
The strong performance eases those concerns and likely solidifies another Federal Reserve interest hike in mid-June.

長くなりましたが、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

photo

我が国の失業率も2.5%まで低下しましたが、米国の失業率が4%を割り込むとは私は少し前まで想像もしていませんでした。非農業部門雇用者の増加も+200千人を超え、やや低迷した3月155千人増、4月+159千人増から再び堅調な回復軌道に戻ったように見受けられます。特に、4月は寒冷な気象条件に雇用が伸び悩んだ面がありましたので、夏に向かって天候要因も剥落し、これも堅調な消費に支えられた消費、ヘルスケア、建設などが雇用を牽引しました。3.8%まで低下した失業率は2000年4月以来、18年振りの水準まで下がってきており、米国連邦準備制度理事会(FED)では4%台半ばをひとつの目安としてきましたので、現状の労働市場はかなり逼迫感があると見ているようです。従って、6月12~13日に開催される予定の連邦公開市場委員会(FOMC)において、追加利上げが決定されるのはほぼ確実と私は見込んでいます。今後の金融政策動向の注目点は利上げのペースなんですが、3月のFOMCでは2018年に3回の利上げのシナリオが中心となることが明らかにされていますが、3月に1回、そして6月にももう1回ということになれば、年半ばで3回のうちの2回の利上げを実行することとなります。計算としては合っているともいえますが、米国景気の動向によっては、年4回という可能性も否定できません。まあ、可能性は小さいような気もしますが、少なくとも、当面は金融政策は引き締め方向で進められる、ということでしょう。

photo

最後に、時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見て、じわじわと上昇率を高め、5月は前年同月比で+2.6%の上昇を見せています。日本だけでなく、米国でも賃金がなかなか伸びない構造になってしまったといわれつつも、+2%の物価目標を上回る賃金上昇が続いているわけですから、そろそろ金融政策で対応すべき段階であると考えるのが妥当かもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧