2017年4月28日 (金)

いっせいに公表された政府統計の経済指標をレビューする!

本日、経済産業省から3月の鉱工業生産指数(IIP)商業販売統計が、また、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が、さらに、総務省統計局から消費者物価指数(CPI)が、それぞれ公表されています。各統計の主要な結果を並べると、鉱工業生産は季節調整済みの系列で前月比▲2.1%の減産、小売業販売額は前年同月比+2.1%増の12兆5430億円、失業率は2.8%と前月と同水準で、有効求人倍率は前月からさらに低下してで1.45を記録し、生鮮食品を除くコアCPIの前年同月比上昇率は+0.2%と3か月連続でプラスを続けています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

鉱工業生産、3月は2.1%低下 半導体関連の生産減で
経済産業省が28日発表した3月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は前月比2.1%低下の99.6となった。2カ月ぶりの低下となり、QUICKが事前にまとめた民間予測の中央値(1.0%の低下)を下回った。半導体製造装置やメモリーなどの生産低下が指数の主な押し下げ要因となった。
経産省は生産の基調判断を「持ち直しの動き」で据え置いた。3月単月では低下に転じたものの、17年1~3月期では前期比0.1%上昇の99.9と4四半期連続のプラスとなった。
3月の生産指数は15業種のうち11業種が前月から低下し、4業種が上昇した。汎用・生産用・業務用機械工業が6.3%低下、電子部品・デバイス工業が4.8%低下した。一方で、パルプ・紙・紙加工品工業は1.7%上昇した。
出荷指数は前月比1.1%低下の98.1だった。在庫指数は1.6%上昇の109.8だった。在庫率指数は0.5%上昇の111.9となった。
4月の製造工業生産予測指数は前月比8.9%の上昇。汎用・生産用・業務用機械工業や輸送機械工業などが伸びる。経産省による補正済みの試算値では5.3%程度の上昇を見込むが、実現すれば消費増税前の駆け込み需要が発生した14年1月実績(103.2)を超え、リーマン・ショック後では最高となる見通し。5月の予測指数は3.7%の低下を見込んでいる。
3月の小売販売額、2.1%増 自動車販売で新型車効果続く
経済産業省が28日発表した3月の商業動態統計(速報)によると、小売業販売額は前年同月比2.1%増の12兆5430億円だった。5カ月連続で前年実績を上回った。経産省は小売業の基調判断を「持ち直しの動きがみられる」で据え置いた。
業種別では、新型車効果の続く自動車小売業の寄与度が大きく、前年同月と比べ8.9%増えた。原油価格の回復に伴う石油製品の価格上昇で燃料小売業も14.8%増加した。ドラッグストアの新規出店効果や化粧品販売が引き続き好調な医薬品・化粧品小売業は3.3%増となった。
一方で、前年に比べ気温が低く推移したことから春物衣料の動きが鈍く、織物・衣服・身の回り品小売業が4.4%減少した。百貨店などの各種商品小売業も3.1%減となった。
大型小売店の販売額は、百貨店とスーパーの合計で0.9%減の1兆6311億円だった。既存店ベースでは0.8%減となった。両業態で衣料品が前年同月を5.2%下回った。飲食料品の販売も減少した。コンビニエンスストアの販売額は3.2%増の9698億円だった。
求人倍率 バブル期並み 3月1.45倍、26年ぶり
人手不足が一段と強まり、雇用に関する指標が改善している。厚生労働省が28日発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.02ポイント高い1.45倍で、バブル期の1990年11月以来26年ぶりの水準。総務省発表の完全失業率(同)も前月と同じ2.8%と低水準だった。ただ家計の節約志向は根強く、消費はなお勢いを欠き、物価も低迷している。
有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人あたり何件の求人があるかを示す。3月は3カ月ぶりに上昇した。正社員の有効求人倍率は0.94倍で2004年に統計を取り始めて以来最高だった。1倍を下回っており、今なお求人の方が求職より少ない状態。企業は長期の視点で人手を確保するため、正社員の求人を増やしている。
職業別に見ると、建設業は3.61倍、飲食などサービスは3.05倍だった。IT(情報技術)など「専門的・技術的職業」も2.04倍に達した。硬直的な労働市場で雇用のミスマッチを解消しにくく「人手不足が成長の制約になりかねない」との声もある。
3月の新規求人は前年同月比6.5%増えた。このうち、運輸・郵便業が12.2%増と大幅に伸びた。厚労省は「大手企業が求人を多く出している」と指摘。ヤマト運輸などを中心に労働環境の改善を進め、その分だけ求人を増やしているとみられる。20年の東京五輪需要が出ている建設業は11.7%、世界経済の回復で生産が持ち直す製造業も11.0%それぞれ増えた。
完全失業率は前月と横ばいだったが、3%台前半とされるミスマッチ失業率(求人があっても職種や年齢、勤務地などの条件で折り合わずに起きる失業率)を下回った。働く意思のある人なら誰でも働ける「完全雇用」状態にあるといえる。
男女別にみると、男性が2.8%、女性が2.7%だった。男性は失業者が減り、就業者が増えたことで、1995年5月以来21年10カ月ぶりに3%を割り込んだ。総務省は「求人の増加が男性の正社員としての就労に結びついている」とみている。男女合わせた雇用者(原数値)のうち正社員は前年同月より26万人増えた。非正規社員(17万人増)よりも伸びが大きかった。
失業者は188万人と前年同月に比べて28万人減った。自営業を含めた就業者は6433万人。パート賃金の上昇などを背景に、これまで職探しをしていなかった主婦層や高齢者が働き始めたことで、69万人増えた。
3月の全国消費者物価、0.2%上昇 16年度では4年ぶり下落
総務省が28日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は値動きの大きな生鮮食品を除く総合指数が99.8と、前年同月比0.2%上昇した。プラスは3カ月連続。ガソリン、電気代などエネルギー価格の上昇が寄与した。QUICKがまとめた市場予想の中央値(0.3%上昇)は下回った。
生鮮食品を除く総合では全体の57.2%にあたる299品目が上昇し、165品目が下落した。横ばいは59品目だった。
生鮮食品を含む総合は99.9と0.2%上昇した。イカなど生鮮魚介の価格高騰が続き、指数を押し上げた。生鮮食品とエネルギーを除く総合は100.4と、0.1%下落した。2013年7月以来、44カ月ぶりの下落。携帯端末の価格下落が響いた。
2016年度のCPIは、生鮮食品を除く総合が99.7となり、15年度に比べ0.2%下落した。下落は4年ぶりとなる。
併せて発表した東京都区部の4月のCPI(中旬速報値、15年=100)は生鮮食品を除く総合が99.8と、前年同月比0.1%下落した。下落は14カ月連続。通信費や家賃、ガス代の下落が響いた。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。でも、統計をいくつも取り上げたので、とても長くなってしまいました。続いて、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた期間は、次の商業販売統計や雇用統計とも共通して、景気後退期です。

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繰り返しになりますが、3月の生産は季節調整済みの系列で前月から▲2.1%の減産となり、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは▲1.0%でしたので、かなり大きなマイナスと受け止めています。ただし、レンジは▲2.1%~+0.5%でしたので、レンジを突き抜けたというわけではありません。また、これも引用した記事にある通り、四半期でならして見ると、ほぼ横ばいながら、1~3月期では前期比+0.1%の増産となっています。さらにさらにで、製造工業生産予測指数では4月の生産計画について前月比+8.9%増と大幅な上昇を見込んでいます。アッパーバイアスを除いても、4月の増産は+5%を超える可能性もありますので、ジグザグした動きながらも、3月のマイナスは軽くクリアしてお釣りが来る勘定なのかもしれません。ただ、製造工業生産予測調査では5月は再び▲3.7%の大きな減産と見込まれており、そのあたりも総合的に勘案して、統計作成官庁である経済産業省では基調判断を「持ち直しの動き」に据え置いています。財別の出荷は3月に関しては冴えない結果に終わりました。ただ、先行きについては、生産・出荷は底堅く推移すると見込んでいます。即ち、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたインフラ需要に加え、耐久消費財については家電エコポイント導入時に購入された白物家電などが買い替えサイクルを迎えていますし、消費増税前の駆け込み需要の悪影響も剥落しつつあります。外需についても、米国向け輸出は増勢が一段落しているものの、欧州向けや中国をはじめとするアジア向けの輸出は好調を維持しています。他方、下振れリスクとしては、エコノミストにはわけが判らない北朝鮮に関する地政学的なリスクがあります。私のようなシロートの目から見ても、いよいよ末期症状に見えるんですが、何がどうなるかは私の予想を超えそうな気がします。知り合いの友人の表現ながら、北朝鮮は昔から瀬戸際外交を繰り広げているんですが、最近ではトランプ米国政権も瀬戸際外交に近いんではないか、と言っていたりしました。

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続いて、商業販売統計のグラフは上の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下のパネルは季節調整指数をそのまま、それぞれプロットしています。影を付けた期間は景気後退期です。GDPベースの消費の代理変数となる小売業販売は季節調整していない原系列の前年同月比で+2.1%増、季節調整済みの系列の前月比でも+0.2%増と、昨年半ばあたりから堅調に推移しています。引用した記事にもある通り、新型車の投入による自動車売上げの増加の効果が大きく、逆に、天候条件から気温が上がらず、春もの衣料品の売り上げは伸びなかったようです。ドラッグストアの販売が伸びているのは、下火になったとはいえ、インバウンド消費の貢献も少なくないと私は受け止めています。小売売上の先行きについては、雇用がとても堅調な一方で、量的な完全雇用に質的な賃上げが伴っておらず、先行き不透明ながら、基本的には雇用の不安が低下し消費は増加する方向にあると考えています。繰り返しになりますが、家電エコポイント導入時に購入された白物家電などが買い替えサイクルを迎えていますし、消費増税前の駆け込み需要の悪影響も剥落しつつあり、緩やか小売り売上げは増加するものと見込んでいます。

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続いて、雇用統計のグラフは上の通りです。いずれも季節調整済みの系列で、上から順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。影をつけた期間はいずれも景気後退期です。引用した記事にもある通り、失業率も有効求人倍率もいずれもバブル経済以降くらいの人手不足を示す水準にありますが、繰り返しこのブログで指摘している通り、まだ賃金が上昇する局面には入っておらず、賃金が上がらないという意味で、まだ完全雇用には達していない、と私は考えています。私自身の直観ながら、失業率が3%を下回ると賃金上昇が始まると予想していたんですが、一昨日の取り上げたリクルートジョブズの派遣スタッフの時給調査結果に表れているように、派遣労働者の時給は人手不足と言われつつもむしろ下がり始めています。労働需要サイドで、デフレ経済下で安価な労働力に依存していた低生産性企業が退出し非正規雇用への需要が低下したのかもしれませんし、あるいは、労働供給サイドで、デスキリングが広範に生じているのかもしれません。たぶん、どちらも違うんだろうという気がしますが、素直に人手不足で賃金が上昇する世界がとても遠く感じてしまいます。

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続いて、いつもの消費者物価上昇率のグラフは上の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIのそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。エネルギーと食料とサービスとコア財の4分割です。なお、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。加えて、酒類の扱いがビミョーに私の試算と総務省統計局で異なっており、私の寄与度試算ではメンドウなので、酒類(全国のウェイト1.2%弱)は通常の食料には入らずコア財に含めています。念のため。ということで、ようやく、国際商品市況の石油価格の底入れから上昇に従って我が国の物価も上昇に転ずる、との結果となっています。上のグラフでは積上げ棒グラフの黄色がエネルギー価格の寄与なんですが、2月CPIからプラス寄与に転じています。ただ、石油価格下落の影響はこの先もまだ物価に波及を続ける可能性があり、上のグラフでも食料とエネルギーを除くコアコアCPI上昇率が低下してマイナスに転じているのが見て取れます。従って、先行きのコアCPI上昇率がこのまま一直線でプラス幅を拡大するかどうかは楽観できないと受け止めています。特に、現在の物価上昇はエネルギー価格の上昇に支えられており、コアCPIの前年同月比上昇率+0.2%のうち、エネルギーの寄与度が+0.3%近くに達します。すなわち、エネルギーを除けば物価はまだ水面下にあるとさえいえます。しかも、東京都区部ではヘッドライン、コアともにいまだにマイナスを続けています。人手不足にもかかわらず賃金が上がりませんので、サービス物価の上昇は鈍いままであり、昨日「展望リポート」を公表した日銀の物価見通しも、公表されるたびごとに物価上昇率は下方修正し、2%のインフレ目標達成は先送りされています。私はリフレ派のエコノミストとして、まずはデフレ脱却と考えていて、ほぼデフレは終了しつつあると認識していますが、2%のインフレ目標はかなり遠そうな気もします。

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2017年4月27日 (木)

久々に景気拡大と表現した日銀「展望リポート」の経済見通しやいかに?

昨日から開催されていた日銀金融政策決定会合ですが、景気判断は9年振りに「拡大」の表現を用いたものの、金融政策は現状維持、というか、追加緩和なしで終了し、「展望リポート」が明らかにされています。下のテーブルは、「展望リポート」の基本的見解から2016-2018年度の政策委員の大勢見通しを引用しています。1月時点からはかなり上方修正されたんですが、インフレ目標である+2%の達成は、引き続き、「見通し期間の中盤(2018年度頃)になる可能性が高い」とされています。なお、計数には正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で、引用元である日銀の「展望リポート」からお願いします。

  実質GDP消費者物価指数
(除く生鮮食品)
 
消費税率引き上げの
影響を除くケース
 2016年度+1.4~+1.4
<+1.4>
▲0.3
 1月時点の見通し+1.2~+1.5
<+1.4>
▲0.2~▲0.1
<▲0.2>
 2017年度+1.4~+1.6
<+1.6>
+0.6~+1.6
<+1.4>
 1月時点の見通し+1.3~+1.6
<+1.5>
+0.8~+1.6
<+1.5>
 2018年度+1.1~+1.3
<+1.3>
+0.8~+1.9
<+1.7>
 1月時点の見通し+1.0~+1.2
<+1.1>
+0.9~+1.9
<+1.7>
 2019年度+0.6~+0.7
<+0.7>
+1.4~+2.5
<+2.4>
+0.9~+2.0
<+1.9>

ざっと見て、GDP成長率が小幅に上方修正されている一方で、物価見通しは小幅に下方修正されています。最後に、日銀政策委員人事については、広く報じられている通り、政府から片岡剛士氏と鈴木人司氏を充てる人事案を国会に示しています。片岡氏はシンクタンク出身でリフレ派エコノミストとして金融緩和に積極的な一方で、鈴木氏は銀行出身ということもあり場合によっては金融緩和にどこまで積極的かには疑問が残ります。ただ、今日までの金融政策決定会合においても、後退する現在の木内委員と佐藤委員は議案に一貫して反対票を投じており、2人の委員が入れ替わったとしても、現在の黒田総裁以下の執行部による金融政策運営の方向性に大きな変更はないものと私は考えています。

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2017年4月26日 (水)

リクルートジョブズの派遣スタッフの募集時平均時給はまだ下がるのか?

明後日の今週金曜日に失業率や有効求人倍率などの雇用統計が、鉱工業生産指数(IIP)と消費者物価指数(CPI)などとともに公表される予定となっていますが、しばしば取り上げているリクルートジョブズの非正規雇用の時給調査、すなわち、アルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の3月の調査結果が明らかにされています。リンク先は以下の通りです。

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ということで、アルバイト・パート及び派遣スタッフそれぞれの募集時平均時給の推移は上のグラフの通りです。前者のアルバイト・パート順調に賃上げがなされているんですが、派遣スタッフについては3月統計ではとうとう前年同月比で▲2%を超えるマイナスを記録しました。金額としての絶対水準が高いとはいえ、首都圏では派遣スタッフ時給は3月に1,663円と前年同月から▲50円の低下となっています。三大都市圏のほか東海圏は前年比プラス、関西圏は首都圏と同じで前値比マイナスです。なお、リクルートジョブズ以外では、エン・ジャパンも同じように、「2017年3月度の派遣平均時給は1,535円、6ヶ月連続で前期比マイナス」と題して、前年同月比▲2.1%とリポートしています。ただ、エン・ジャパンはリクルートジョブズと違って、三大都市圏すべてで前年比マイナスとなっています。また、エン・ジャパンではリクルートジョブズと同じ三大都市圏以外での派遣スタッフの時給を明らかにしており、3月の派遣時給を全国的に見ても、北信越が前年比でプラスを記録しているだけで、ほかの北海道、東北、中国・四国、九州・沖縄はすべてマイナスとなっています。ですから、派遣時給の低下はほぼ全国的な広がりを持っていると見てよさそうです。
派遣の時給が下がり始めた昨年9-10月ころには、日経新聞の記事などに見られる通り、時給の高い職種の下落が影響しているんではないか、との見方が一般的でしたが、人手不足の中で派遣事業が拡大し過当競争に陥って派遣スタッフの時給にしわ寄せがきている可能性もなくはないんではないかと私は考えています。それとも、企業サイドで派遣募集を控えて正規職員募集に切り替える方向にあるほどは、労働者サイドで正規職員募集に対応しきれず、その分、派遣スタッフの需給が企業サイドの買い手市場に傾いているんでしょうか。私なんぞも貧弱なメディアながら、あれほど正規職員の増加を訴えて来たんですから、そんなことはないとは思うものの、いずれにしても、かなり不思議な現象です。

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2017年4月25日 (火)

高い伸びを維持する企業向けサービス物価(SPPI)上昇率の先行きやいかに?

本日、日銀から3月の企業向けサービス物価指数(SPPI)が公表されています。前年同月比上昇率で見て、ヘッドラインSPPIは+0.8%、国際運輸を除くコアSPPIも+0.8%と、徐々に上昇幅が拡大しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の企業向けサービス価格、前年比0.8%上昇 人手不足受け
日銀が25日発表した3月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は103.9で、前年同月比0.8%上昇し、45カ月連続で前年を上回った。前月比も0.6%上昇した。消費増税の影響を除いたベースでは前年同月比で0.9%上昇と、比較可能な01年度以降で最も大きい伸びとなった。
土木建築サービスが首都圏での再開発の進展に伴い上昇した。交通誘導警備が人手不足を受けた人件費上昇を背景に伸びたほか、道路貨物輸送もドライバーの確保が難しく需給が引き締まるなかで値上げが進んだ。インターネット広告は化粧品や日用品メーカーを中心に出稿意欲が旺盛で、価格の上昇につながった。日銀の調査統計局は「人手不足に伴うサービス価格の上昇がやや目立ち底堅いが、力強さに欠ける分野もある」と説明した。
対象の147品目のうち、価格が上昇したのは65、下落した品目は42で、上昇品目数は下落品目数より23品目多かった。
同時に発表した16年度の価格指数は103.2と、前年度比0.4%上昇した。上昇は4年連続。土木建築サービスや事務所賃貸が伸びた。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、SPPI上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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2月統計から3月統計にかけてSPPIの動きが小さく、前年同月比上昇率も+0.8%で上昇幅も大きな変化ありませんでした。統計の大分類の7項目、すなわち、金融・保険、不動産、運輸・郵便、情報通信、リース・レンタル、広告、諸サービスのいずれも、2月から3月にかけての上昇率はそれほど大きな変化は見られず、広告が2月+3.0%上昇に続いて、3月も+2.5%上昇、さらに、諸サービスが2月+1.0%に続いて3月+1.1%上昇といったあたりが高い伸びを示しています。
SPPIの今後の見通しについては、人手不足に伴ってさらに上昇率が加速する可能性があると私は考えています。例えば、2月10日に公表された国土交通省のプレスリリース「平成29年3月から適用する公共工事設計労務単価について」によれば、今年の3月1日から適用される公共工事設計労務単価は全国全職種単純平均で対前年度比+3.4%の引き上げとなるとしていますし、私が見た本日付けの日経新聞朝刊の1面トップは「ヤマト、値上げ 5~20% 消費者向け27年ぶり」と題した記事で、働き方改革や人材の確保に充てるため宅配便で5割のシェアを握るヤマトが消費者向けの宅配便の基本運賃を5~20%引き上げる方針を固め、インターネット通販会社など割引を適用する大口顧客にはさらに大きい値上げ率を求める、と報じられています。さらに、一般的なうわさ話の域を出ないものの、景気回復・拡大が長期化する中で、特に東京のオフィス需給がひっ迫して賃貸料が上昇しているといいます。ヤマトの価格改定はまだ先かもしれませんが、4月は価格改定のシーズンでもあり、企業向けサービス物価(SPPI)の動向が、その川下の消費者物価(CPI)などとともに気にかかるところです。

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2017年4月21日 (金)

発足から3か月近くを経た米国トランプ政権に対する米国民の評価やいかに?

米国での政権交代から3か月近くが経過し、私がよく参照しているピュー・リサーチ・センターから Public Dissatisfaction With Washington Weighs on the GOP と題して、米国の政権、政党、議会に対する世論調査結果が今週月曜日の4月17日に明らかにされています。取りあえず、トランプ政権に対する評価について、歴代の政権と比較しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフはピュー・リサーチのサイトから Early job approval ratings for recent presidents と題するグラフを引用しています。1981年に就任したレーガン元米国大統領から最近6人の米国大統領の就任直後の2月時点での支持率(Approve)と、その2-3か月後の4月ないし5月時点での評価を並べたグラフです。見れば明らかなんですが、現在のトランプ米国大統領は最近の歴代米国大統領に比較して就任直後の2月時点でもともとの評価が低かった上に、4月時点でもわずかに不支持(Disapprove)が減少しただけで、それほどの支持の拡大が見られません。しかも、不支持が支持を上回っており極めて異例な状態となっています。

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次に、上のグラフはピュー・リサーチのサイトから Demographic differences in views of Trump's job performance と題するグラフを引用しています。性別、人種別、年齢別、学歴別などのトランプ米国政権の支持と不支持をプロットしています。これも見れば明らかで、従来からの傾向と変わらず、女性より男性の支持が高く、白人の支持が高く、大雑把に、年齢が高いほど、また、学歴が低いほど支持が高い、という結果が示されています。

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最後に、上のグラフはピュー・リサーチのサイトから Partisan gap in Trump approval ratings much wider than for recent presidents と題するグラフを引用しています。現在のトランプ政権の特徴は2点あり、ひとつは支持率が39%と歴代米国政権よりかなり低いことです。もうひとつは与党共和党と野党民主党の間の支持の差が極めて大きく、米国が党派別に分断されかねない状況にある点です。他方、強力なリーダーシップが発揮しにくい状況ともいえますが、逆に、強力なリーダーシップを発揮して欲しくないと考える米国民も少なくなさそうだったりします。何ともビミョーなところです。

いうまでもなく、米国は我が日本の同盟国であるだけでなく、世界の政治経済に大きな影響を及ぼすわけですから、引き続き、現在のトランプ政権の動向が注目されます。

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2017年4月20日 (木)

貿易統計に見る輸出はいよいよ拡大局面に入ったか?

本日、財務省から3月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、輸出額は前年同月比+12.0%増の7兆2290億円、輸入額は+15.8%増の6兆6143億円、差引き貿易収支は+6147億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

貿易黒字、6年ぶり 16年度4兆円、震災後で初 3月輸出は12%増
財務省が20日発表した3月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出は前年同月比12.0%増の7兆2291億円で、リーマン・ショックのあった2008年9月以来の水準となった。中国向けの液晶デバイスなどがけん引し、アジア向けの輸出額が過去最高を記録した。2016年度の貿易収支は4兆69億円の黒字で、東日本大震災の前年にあたる2010年度以来、6年ぶりに黒字を確保した。
足元の輸出は好調だ。中国向けは、前年同月比16.4%増の1兆2995億円で、5カ月連続の増加。2月に春節(旧正月)休暇後の反動増があった分、減るだろうとの事前予想を覆し、過去2番目の水準になった。自動車部品や電気回路の機器などは4割増えた。中国向けに加えて、タイ向けの鉄鋼なども好調で、アジア全体では日本からの輸出額が過去最大となった。
輸出は米国・EU向けでも好調が続く。米国向けの輸出額は1兆3531億円と3.5%伸び、2カ月連続で増加した。日系企業の現地生産向け自動車部品や、原動機で2桁伸びた。EU向けはイタリアへの自動車輸出の伸びが寄与した。世界経済の追い風を受けて輸出に勢いがある。
一方、3月の輸入額は前年同月比15.8%増の6兆6144億円だった。原油市況が底入れし、サウジアラビアからの原油輸入額が増えた。オーストラリアからの石炭の輸入額が増えたことも影響した。輸出額から輸入額を引いた貿易収支は17.5%減の6147億円だった。2カ月連続の貿易黒字だが、好調な輸出を上回る輸入の伸びで、黒字額は縮小した。
財務省が同日発表した2016年度の貿易収支は4兆69億円の黒字で、東日本大震災以来、6年ぶりに黒字を確保した。東日本大震災以降は原子力発電所の停止で火力発電所向けの燃料輸入が増えていたが、原油相場の低迷と、16年度は対ドルで前年度比10%の円高になった影響で輸入額が減った。
16年度の輸出は3.5%減の71兆5247億円。米国やサウジアラビア向けの自動車、欧州向けの鉄鋼が減少した。輸入は10.2%減の67兆5179億円だった。マレーシアやカタールからの液化天然ガス(LNG)輸入額が減ったほか、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)からの原油輸入が減った。
16年度の対米の貿易黒字は6兆6294億円で、5年ぶりに減少した。大型車や鉄鋼などの輸出が減少した。トランプ政権は日本を多額の貿易赤字相手国の一つとみなす。日本から米国向けは、16年度通期で見ると自動車輸出が減り、足元ではトランプ大統領の意に沿う形で、現地生産向けの部品が伸びる構図だ。

3月のデータが利用可能になったため、どうしても年度計数に目が行きがちで長めの記事となっているものの、3月の貿易統計に関しても最近の足元での輸出の堅調ぶりを報じた内容となっており、いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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まず、メディアで注目の年度計数ですが、震災前の2010年度から数えて6年振りに年度で貿易収支が黒字を記録しています。震災後のここ数年は原子力発電所の停止で火力発電所向けの燃料輸入が増えていたわけですが、すでに底を打ったとはいえ原油相場が低迷を続けるとともに、2016年度は対ドルで前年度比10%の円高になった影響で輸入額が減った影響が大きいと私は受け止めています。他方、輸出は足元で中国や先進国も含めて世界経済の回復ないし拡大から回復基調を続けています。ただし、引用した記事にもある通り、なぜか、対米国の貿易黒字は6兆円余りと水準は高いものの、2016年度は黒字幅が縮小しているようです。自動車輸出の減少に伴う黒字縮小であり、シェールガスやオイルの影響ではないと考えられています。3月については、引用した記事の見方とは異なり、中華圏の春節の影響で大幅な黒字となった2月の反動は、少なくとも季節調整済みの系列には着実に出ており、上のグラフの下のパネルに見られるように、季節調整済みの系列では3月の輸出額は2月から減少しています。このため、季節調整済みの系列では、2月の貿易黒字+6090億円に比較して、3月は+1722億円と急減を示しています。春節効果で大きな変動の見られる原系列ではなく、季節調整済みの系列では輸出の減少と貿易黒字の縮小が3月に観察されることは忘れるべきではありません。ですから、2016年度の貿易黒字は、ある意味では、世界経済の回復ないし拡大と我が国経済の足踏みを需要面のバックグラウンドにしていたわけですが、季節調整済み系列で見た3月統計ではそうなっていない、という点はエコノミストとしては確認しておいていいと私は考えています。我が国経済も回復ないし拡大の方向にある可能性が高いと考えるべきです。

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輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同月比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。輸出額はハッキリと回復ないし拡大を示しており、その背景はOECD先行指数に見られる海外経済の回復による我が国輸出への需要拡大です。

なお、まだ1月ほど先のお話ですが、5月18日には1-3月期のGDP統計1次QEが内閣府から公表される予定となっており、貿易統計の結果から考え合わせると外需寄与度は輸出拡大により1次QEにはプラス寄与になることが見込まれるんではないかと私は考えています。

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2017年4月19日 (水)

国際通貨基金(IMF)「世界経済見通し」World Economic Outlook 第1章見通し編やいかに?

IMF世銀の4月総会を前に、日本時間の昨夜、国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し」World Economic Outlook の第1章見通し編が公表されています。

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まず、IMFのサイトから世界経済の成長率見通しの総括表を引用すると上の通りです。クリックすると、リポート第1章の Table 1.1. Overview of the World Economic Outlook Projections のページ2ページだけを抽出したpdfファイルが別タブで開くようになっています。
世界経済の成長率見通しは、2017年+3.5%、2018年+3.6%と、2016年の実績である+3.1%からやや船長が加速し、また、昨年10月の「世界経済見通し」からもわずかに上方修正されています。日本の成長率見通しは、今年2017年が+1.2%と、昨年10月時点の+0.6%成長から大きく上方修正されていますが、これは過去にさかのぼった統計の見直し (a comprehensive revision of the national accounts) によるものであると明記されています。その後、2018年は+0.6%(昨年10月時点での見通しは+0.5%)成長と鈍化しますが、力強さを増すと予想される外需や東京オリンピック関連の民間投資の効果が考えられる一方で、財政面での下支えの剥落や輸入の回復により相殺されるためであると指摘しています。中長期的には労働の縮小が成長の重しとなるものの、1人当たり所得の伸び率は過去数年と同程度と見込んでいます。物価については、エネルギー価格の上昇、最近の円安、緩やかに高まる賃金圧力などによりインフレ率は高まると予想されるものの、インフレ期待が緩やかにしか高まらない中、2022年までの予測期間中の物価上昇率は日銀のインフレ目標を相当に下回って推移すると見込んでいます。

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最後に、リポートから Figure 1.20. Recession and Deflation Risks を引用すると上の通りです。先進国の中では、米国や欧州ユーロ圏よりも日本の景気後退確率とデフレ確率がグンと高い、との結果が示されています。アジア新興国がいずれもやたらと低い確率を叩き出しているのが印象的です。

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2017年4月18日 (火)

東洋経済オンラインによる「就職人気ランキング」やいかに?

昨日4月17日付けで、東洋経済オンラインにおいて、文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所が行った「企業ブランド調査」を基に「就職人気ランキング」が明らかにされています。2018年3月卒業の大学生が対象ですから、我が家の上の倅より学年でひとつ上ということになりますので、私もそれなりに注目してしまいました。東洋経済オンラインのサイトから就職人気ランキングの1-50位を引用すると下の画像の通りです。働き方改革にあわせて、あれほどバッシングされた電通もランクインしています。

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従来から人気の銀行・証券・保険などの金融機関に加えて、1位となった全日空などの旅行・輸送会社、食品会社などが目立つ気がします。私が学生のころに憧れた商社もいくつか入っています。なお、文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所の「企業ブランド調査」では、さらに詳細な情報が公開されています。ご参考まで。

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2017年4月17日 (月)

今夏のボーナスは増えるのか減るのか?

先週までに、例年のシンクタンク4社から夏季ボーナスの予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると以下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、公務員のボーナスは制度的な要因ですので、景気に敏感な民間ボーナスに関するものが中心です。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、あるいは、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブでリポートが読めるかもしれません。なお、「公務員」区分について、みずほ総研の公務員ボーナスだけは地方と国家の両方の公務員の、しかも、全職員ベースなのに対して、日本総研と三菱リサーチ&コンサルティングでは国家公務員の組合員ベースの予想ですので、ベースがかなり違っています。注意が必要です。

機関名民間企業
(伸び率)
公務員
(伸び率)
ヘッドライン
日本総研36.6万円
(+0.4%)
64.7万円
(+2.6%)
今夏の賞与を展望すると、民間企業の一人当たり支給額は前年比+0.4%と、夏季賞与としては2年連続のプラスとなる見込み。
背景には、2016年度下期の企業収益の底堅さ。製造業では、2016年11月以降の円安の進展、輸出の持ち直しにより、2016年度下期の収益が上振れ。非製造業でも、情報通信業などの増益を中心に、企業収益は高水準を維持する見込み。
第一生命経済研36.7万円
(+0.5%)
n.a.増加が予想されるとはいえ、伸び率自体は小幅なものにとどまる見込みである。加えて、春闘でのベースアップが昨年をやや下回る上昇率にとどまったとみられることからみて、所定内給与も伸びが鈍化する可能性がある。このように17年度も賃金の伸びが緩やかなものにとどまるなか、物価上昇率が今後高まっていくことで、実質賃金は減少する可能性があるだろう。個人消費は先行きも力強さに欠ける展開が予想される。17年度の景気は好調に推移する可能性が高いが、それはあくまで輸出の増加を背景とした企業部門主導の回復になるだろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング36.8万円
(+0.9%)
64.2万円
(+1.9%)
2017年夏の民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)のボーナスは2年連続で増加すると予測する。労働需給が引き締まる中、ボーナスを算定する上で基準とされることの多い基本給(所定内給与)が前年比で増加を続けていることに加え、足元で企業業績が改善していることもあり、一人あたり平均支給額は36万8,272円(前年比+0.9%)と増加しよう。特に製造業では、円安や内外需要の回復を背景に業績が改善しており、堅調に増加するだろう。
みずほ総研36.9万円
(+1.1%)
71.1万円
(+2.5%)
今夏の民間企業一人当たりボーナス支給額は前年比+1.1%と、前年から鈍化する見込みだ。他方で、人手不足対策としての正社員化や非正社員の待遇改善を背景に、ボーナスの支給対象者数は増加するだろう。正社員化の動きについては、2017年入り後にパートタイム比率が低下するなどの進展が見られる。非正社員についても、今春闘で処遇改善に取り組む企業が大幅に増加している。その結果、新たにボーナスが支給される対象者が増加し、民間の支給総額は前年比+4.5%と高めの伸びになると予想する。

ということで、今夏のボーナスは昨夏の伸び率は下回るものの緩やかに増加し、さらに、政府の働き方改革の後押しもあって、待遇改善が進んでボーナス支給体対象が拡大することなどから、1人当りの伸び以上にマクロの支給増額が増加すると見込まれています。国民生活の向上と安定のため、企業が内部留保をもっと上手に使うよう、私は願って止みません。
下のグラフは日本総研のリポートから、ボーナスの支給総額の推移を引用しています。

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2017年4月14日 (金)

2016年度上場企業の倒産はバブル期以来のゼロに!

いうまでもないことですが、3月末で2016年度が終了しており、この2016年度は上場企業の倒産が発生しなかったらしいです。東京商工リサーチと帝国データバンクの両社が以下のリポートで明らかにしています。

次に、年度別の上場企業の倒産件数と負債額のグラフを東京商工リサーチのサイトから引用すると以下の通りです。

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見れば明らかですが、バブル経済末期の1990年度以来26年振りに上場企業の倒産が発生していません。直近で最後の上場企業の倒産を振り返ると、商船三井の持分法適用関連会社であった第一中央汽船が、2015年9月29日に東京地方裁判所に民事再生法適用を申請しています。2008年のリーマン・ショックの年には45社の上場企業が倒産しているわけですし、景気後退期における何らかの意味での不採算企業の整理は次なる景気拡大期の健全性を保証するといった清算主義的な考え方も過去にはないでもなかったんですが、まずは企業倒産は避けることが出来れば避けた方がいいというのは、多くの見方と一致するわけであり、エコノミストとしてもご同慶の至りといえます。

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